“二刀流”で生き延びるアワカツ

2013年01月04日 12時25分

 最も勝つことが困難な6コースをあえて選択し、リスクを承知で戦うボートレーサー・阿波勝哉(39=東京)をご存じか? 普通に走れば安定した収入を得ることができるが、彼はあえて「夢」を追いかける。2012年はレーサー人生最大の苦境に立たされたが、12月の地元戦で戦術をモデルチェンジして見事に復活V! さらなる「進化」を続ける孤高のアウトサイダーは、ボートを知らない人にとっても一見の価値がある。

 愛称・アワカツ。ボートファンで彼の名を知らない者はいない。

 デビュー当初から大外からのレースに魅力を感じ、アウト屋となった阿波。いかに6コースから勝つのが困難か?は別項に記したが、そもそもなぜ大外にこだわるのか。

「6コースから勝つと気持ちいいし、最高の気分。そこに尽きますね」

 この単純明快な答え、揺るぎない信念がファンを魅了する。

 そんな阿波を窮地に追い詰めたのが12年5月のプロペラ制度変更だ。

 従来は自作のプロペラをレース場に持ち込めたが、新制度では各場が用意したプロペラしか使用できない。何年もかけて会得したオリジナルプロペラで別次元の「伸び」を手に入れた阿波にとって完全な逆風。ついに「限界説」まで流れる中、彼はある決断を下した。代名詞でもある「チルト3度」を諦めたのだ。