【福岡ボートSG「第44回オールスター」カウントダウンコラム「新参者からの挨拶状」(3)】23日、ボートレース福岡で開幕するSG「第44回オールスター」に初挑戦するメンバーをピックアップしたカウントダウン企画「新参者からの挨拶状」第3回は松本晶恵(29=群馬・98期)にスポットを当てる。昨年、初の賞金女王に輝いた関東を代表する強豪女子レーサーだが、意外にもオールスターは初出場。SG自体も3度目の出場となる今回は、特別な思いを胸に臨む覚悟だ。

 ファン投票では女子選手の第9位。そのため当初発表された出場メンバーにはその名前はなく、女子の予備選手1位という立場だった。しかし女子の得票数1位だった平山智加が家事都合(妊娠)のため欠場。繰り上がりでの出場が決まった。

 平山は養成所から苦楽をともにした同じ98期。A1級で常に戦ってきたライバルであり、プライベートでも仲の良い友人だ。それだけに「繰り上がりですけど、出場が決まったのはうれしいです。智加ちゃんからせっかくもらった資格なので、少しでもいいレースができるよう、がんばりたいですね」と、“平山の分も”という強い気持ちを隠さない。

 過去、2度参戦したSGでは経験を糧にしてきた。

 SG初出場だった昨年12月の住之江グランプリシリーズではわずか1勝に終わったが「SG選手のレースに臨む姿を見て、驚きました。よりストイックに臨もうという思いになりましたね」と大きな刺激を受けた。

 もともと試運転やペラ調整を入念に行うタイプだったが、その度合いが増し、最近は寸暇を惜しんで調整に没頭するようになった。その姿勢は、直後の平和島プレミアムGⅠクイーンズクライマックス制覇、今年2月の地元・桐生GⅠ関東地区選予選突破につながった。

 2度目のSGとなった今年3月の児島クラシックでは初日1Rで逃げ切り勝利を飾ったが、その後は3日目に転覆するなど散々な結果に終わった。

 大会後は「何もできなかったですね。この悔しさをまたこういう舞台で晴らしたい」と心境が変化。それまでは出場が目標だったSGが「結果を残したい」という位置づけになったという。

 挑戦者として挑む初めてのオールスターだが「できる限りのことをして、いつも通りのレースをできるようにしたい」という決意も忘れない。この言葉通り、平常心でレースに臨むことができれば、大きな結果につながっても不思議ではない。

☆まつもと・あきえ=1987年6月3日生まれ。群馬県出身。2006年5月桐生で群馬支部98期としてデビュー。12年6月のまるがめ一般戦で初V。昨年12月の平和島クイーンズクライマックスでGⅠ初Vを飾り、同年の賞金女王に輝いた。通算9V。同期は平山智加、鶴本崇文、是沢孝宏、松田祐季、西村拓也ら。身長155センチ、血液型=A。

 ※次回(月曜)掲載は福岡「水面&エンジン」分析となります。