【福岡ボートSG「第44回オールスター」カウントダウンコラム「新参者からの挨拶状」(2)】23日、ボートレース福岡で開幕するSG「第44回オールスター」に初挑戦するメンバーをピックアップしたカウントダウン企画「新参者からの挨拶状」第2回は福岡支部の渡辺浩司(33=93期)の登場。地元での晴れ舞台を目前に控えた今の思いを直撃した。

「いやー、まさかと思いましたよ」――。オールスター初出場の感想を尋ねたところ、開口一番に飛び出たセリフだ。

「もちろんうれしいですよ。でも自分が走ることはないと思っていました。オールスターだけは自力で行けるSGではないですからね」

 ファン投票によって出場選手が決まるこの「オールスター」はある意味“最も出場するのが難しいSG”とも言われている。昨今の女子レース人気の影響もあってか、実力&実績とファン投票がリンクしないケースが多いからだ。

 渡辺も11期連続でA1級キープ、昨年は年間優秀選手の最多勝利賞(1着125回)に輝くなどその実力は折り紙つき。SGはデビュー10年目での初出場となった2013年10月の平和島ダービー以降、昨年は自身2度目のダービーとGPシリーズ出場を経験。そして8Vを積み重ね、今春のクラシック初出場の権利も勝ち取り、すでに4回の出場を数える。

 爆発的な人気を誇るというよりは、着実に勝利を積み重ねるタイプ。そんな渡辺にとってSG出場権は“選ばれる”よりも“自らの手でつかみとる”ものという意識が強いのだろう。「でもまあ、地元票もあるんじゃないですか(笑い)」とおどけるあたりに、渡辺らしさがにじみ出ていた。

「だから今回は“遊び”にいくつもりでいきたい。変な意味じゃないですよ。リラックスしてレースに臨める気がするんです。SGだといつもは舞い上がっちゃうんですけど、最近はだいぶ慣れてきましたしね。地元開催だけど、そこも変に気負わずにいきたいです」

 地元選手ならではの博多水面の攻略法を問うと「特にないし、引きたいモーターも記憶にないです」と実にあっさり。だがエンジン出しには胸を張る。「どこの場でも自分が求める足は一緒。行き足、出足を重視しています。そこがないとレースが作れませんからね。伸びがないことはあっても、出足が悪いことは年間通してもあまりないです。出足関係はそこそここさせられていますね」

 スター選手の揃う夢舞台で強烈なインパクトを残せれば来年以降も“選ばれる”可能性は大だ。

 ※明日掲載は松本晶恵

☆わたなべ・こうじ=1983年11月13日生まれ。福岡支部所属の93期。2003年11月の福岡でデビュー。06年7月の若松新鋭リーグで初優出、09年3月の鳴門タイトル戦で初優勝。通算20V、GⅠは2優出あるが優勝はまだない。同期には岡祐臣、馬場貴也、長田頼宗らがいる。身長167センチ、血液型=A。