【津プレミアムGIマスターズチャンピオン・カウントダウンコラム「ワシらが主役だ!(4ー2)」=西島義則(広島・49期)】“インの鬼”の異名を取る“超”強豪でSG7勝、GI・16勝という屈指の輝かしい実績を誇り、艇史に名を残す大選手。もちろんこの「マスターズチャンピオン」も第11回大会を制している。しかも「マスターズC」デビュー戦での優勝だった。

 当時はまだバリバリのSGクラスで、オールドクラス限定戦で「負けるわけにはいかない」とばかりに、周囲を寄せ付けない威圧感、鬼気迫る走りで圧倒してみせた。

 しかし好事魔多し。

 13年6月のとこなめSGグラチャンでヘルメットにヒビが入るほどの大事故に遭遇、生死の境をさまよった…。

 だが、くぐり抜けてきた修羅場の数が違っている。レースに懸ける生きざまはそれこそ“ハンパ”ではなく、一戦一戦全力投球。一走入魂の走りを披露する真のプロフェッショナルだ。

 このタイトルは次回からレギュレーションが変更され「45歳以上…」が対象となる。「来年からすごくレベルが上がり、大幅にメンバーも変わるはず。松井(繁)とかも出てくる。だから今回は“来年はない”という気持ちで、目の色を変えている選手が多いと思う」と語る西島自身もその一人に違いない。

 昨年のびわこ大会では1号艇で優出したものの「ちょっと運がなかったな。(優勝戦は)向かい風がビュービューと吹いて、水面もかなりうねって、Sが全く分からなかった。もちろん去年の分まで…という気持ちはある。まあ引いたエンジン次第になるが、モチベーションも日を追って上がっていくと思う」といよいよ本気モードに入る。史上3人目のマスターズV2も夢ではない。

☆にしじま・よしのり=1961年10月30日、島根県生まれ。広島支部の49期生。81年11月宮島デビューでいきなり初戦から2連勝。節間3勝を挙げ周囲を驚かせた。89年の尼崎新鋭王座決定戦でGI初優勝を飾ると97年住之江クラシックでSG初制覇。通算88VのうちSG7V、GI・16Vがあるが、Fも合計72本という“ファイター”。身長166センチ。血液型=AB。