2016年のボートレース優秀選手表彰式典が7日、都内のホテルでファン・関係者650人を集めて盛大に開かれた。優秀選手選考委員会の審査によって選ばれた受賞者一覧は別表の通り。昨年のボート界を大いに盛り上げたメンバーが揃ったが、中でも主役は初のグランプリ制覇を成し遂げ、最優秀選手、最多賞金獲得選手、記者大賞の「3冠」に輝いた瓜生正義(40=福岡)だった。

 昨年末の住之江SG「グランプリ」を制した時の純白の勝負服(1号艇)をほうふつとさせる真っ白なタキシード。レース同様、淡々とした表情でレッドカーペットを闊歩した瓜生は最後に壇上に登場した。

 これまで数々の記念タイトルを獲得してきたが、なぜかグランプリだけは縁がなかった。「最強」と言われながらも「最高」のタイトルだけは手にすることができなかった。しかし「不惑」を迎えた2016年、ついにグランプリを制覇。黄金のヘルメットを戴冠し、ジグソーパズルの最後の1ピースが埋まった。

 さらに獲得賞金も1位となり、名実ともにボートレース界のトップに君臨した。大きな歓声を受けて表彰盾を受け取った瓜生は、その人柄を表すようにまずは深々と頭を下げ、開口一番で「緊張しています」と顔をこわばらせた。

 受賞については「光栄に思います。これも皆さまの支えがあったからこそ」と謙虚に語り、今後については「日々、反省しながら一歩ずつ前に進んでいきたい。この賞に恥じないよう精進し、精一杯走るのでよろしくお願いします」と最後まで平身低頭の姿勢を崩さず、ファンへの感謝の意を口にした。

 壇上で最もフラッシュを浴びたのは紅一点の松本晶恵(群馬)だ。女子レーサー屈指の癒やし系キャラは昨年末の平和島プレミアムGⅠ「クイーンズクライマックス」を制覇して女子の頂点に立った。この日はあでやかな着物姿で登場。「明るい色を選ばせてもらいました。日本人として着物が着られるのは幸せです」と晶恵スマイル。男子の一流レーサーたちが後ろで見守る中、「この賞を受賞できるのは女子選手の夢。これを誇りに思って今年も走りたい」と力強く語り、今後のさらなる飛躍を約束した。