【からつボートGI全日本王者決定戦(10日開幕)注目レーサー=古賀繁輝】当地周年は過去優出3回。大将格の深川真二とともに地元の期待を担う存在だ。記念レーサーとしての地位を固めつつあるが、同時に生みの苦しみも味わっている。

「勝ちたい気持ちが空回りしている。最近でいえば徳山がそうでした」

 10月の徳山周年は2号艇で優出。優勝戦の道中は2着争いだったが、2周1Mで大きくターンマークを外し転覆失格となった。

「あの日は思ったより気温が下がって調整が合っていなかった。攻めるターンができる状態じゃないのに欲をかいてムリをしてしまったんです」

 闘志を燃やしながらも頭の中は冷静に。これがもっかのテーマだ。

「実績を残している方たちに話を聞く機会が増えました。一番は準備をしっかりすること。そうすれば冷静に周りを見ることができますから」

 リズム自体はいい。現在、GⅠは3連続で準優進出中。メンタルにまで目が向くようになったのはトップクラス相手でも機力負けしなくなったことの裏返しでもある。

「ペラの方向性の幅が広がった感じですね。数字のないモーターでも、そのタイプに応じた調整をすれば戦えるくらいにはなることも増えました」

 充実期に入った今こそタイトル獲得のチャンス。今回は本人もはっきりと優勝を意識する。

「自分も30になったんで大人になろうかと(笑い)。地元のGⅠ。とにかく勝ちにいきます」

“見下ろし”の姿勢で強豪を迎え撃つ腹積もりだ。