【徳山ボート】周辺の酒蔵紹介

2016年10月08日 11時51分

冷蔵保存でフレッシュさを保つ「にごり酒」

【徳山ボートGⅠ・徳山クラウン争奪戦(9日開幕):注目の酒蔵を紹介】来月13日に東京で行われる予定の「やまぐち地酒維新」は、今年で8回目。今年も定員500人分のチケットが完売するほどの人気を博している。同様のイベントは関西でも行われており、地元・山口のみならず、東京や関西で注目を浴びている。山口の酒といえば大ブームにもなった「獺祭(だっさい)」が有名だが、そのほかにも魅力的な酒を造る酒蔵がたくさんある。今回は、周南市の酒蔵におじゃました。

〈山縣本店〉酒を冷やして飲む冷酒の先駆け的存在となった「かほり」を代表銘柄とするのが、1875年創業の「山縣本店」だ。冷蔵技術や流通の発達などによって年間を通して生産が可能となったが、山縣本店では毎年11月ごろから4月ごろまで日本酒を造る伝統的な手法をとっている。

 また、10月ごろからは芋焼酎の仕込みが、さらに梅が出回るシーズンになると梅酒の仕込みと、日本酒以外もラインアップ。冬場になり酒造りが始まると、杜氏が「ほぼ休みなし」の作業へと突入。今回はオフシーズンであったが、冷蔵保存をしているにごり酒をパックするところを見ることができた。

 今年3月ごろに造られたにごり酒は、それ以上発酵が進まないように平均マイナス5度に保たれた冷蔵室の中に保存されている。酒の種類に応じて、このように一定の温度に保たれた部屋で熟成される。1年から2年熟成を重ねることで、うま味が増して辛口の酒が出来上がる。

 逆にフレッシュさが魅力のにごり酒や、加熱殺菌をしない「生」酒は、冷蔵技術のなかった時代には味わえなかったものだ。熟成具合によって変わる味の変化を楽しめそうだ。

 今回、話をうかがったのは「山縣本店」4代目の山縣俊郎社長。同社が目指すのは「きれいな酒」。そんな酒に合うのは「やはり瀬戸内の小魚ですね。脂の乗ったカツオやマグロではなくて、白身魚に合わせてもらいたい。山口ですから、やはりフグでしょう」。しかし、フグといえば高級魚…なかなか手が出ない上、地域格差もある。そんな人にオススメできるアテはずばりチーズだ。その中でも山縣社長のオススメはカマンベールチーズ。最近ではコンビニエンスストアでも手に入りやすく、簡単に試せそうな組み合わせである。

 また、杜氏の小笠原光宏氏がオススメする組み合わせは、今が旬のひやおろしにタコの塩焼きや唐揚げの組み合わせ。さらに揚げ物なら、芋焼酎の水割りも合うと教えてくれた。

☆「株式会社 山縣本店」山口県周南市久米2933 電話0834・25・0048

こだわりの純米酒のみを造る「はつもみぢ」

〈はつもみぢ〉20年のブランクを経て、酒造りを再開した老舗の酒蔵が1819年創業の「はつもみぢ」。酒蔵を案内してくれたのは、11年前の酒造再開時の募集で入社したという安達潤部長。原田康宏社長の名字からとった「原田」がその名の通り、蔵を代表する酒である。ラベルのデザインは、がんだれ(原の部首)を崖に見立て、崖に降った雨が泉となり、田んぼに流れ込むという意味を込めたこだわりのものだと解説してくれた。

 大規模な施設は持たないものの、年間を通して純米酒のみを造っている。純米酒とは、製造の過程で醸造アルコールを添加せず、水と米と米こうじのみで造られる酒のこと。アルコール度数の調整のために加水が行われることもあるが、それ以外は手を加えないのがこだわりだ。ラインアップは日本酒のみとシンプル。主力の「原田」のほかにも、社名の元にもなっている「初紅葉」などがある。

 無ろ過原酒の瓶詰め作業を見学させてもらったが、訪れた日には、偶然にも地元中学生が職場体験中。また、酒造りの副産物でもある酒かすも地域の人にとっておなじみの食材だと言う。近所の方には昔からなじみの酒蔵のようだ。

 安達部長がオススメするアテはやはり「白身魚、たとえばフグ」。ただし、精米歩合の高い、いわゆる磨かれた酒がよく合うとのこと。また、コンビニメニューの「サラダチキン」も手軽に調達できるつまみとしてGOOD。基本的にはあっさりしたものがよく合うようだ。

☆「株式会社 はつもみぢ」山口県周南市飯島町1丁目40番地 電話0834・21・0075

【フグと合う酒】山縣本店、はつもみぢに共通するのが「フグと合う酒」という点。伝統的な日本酒と高級魚のフグの組み合わせはまさに王道とも言えるカップリング。フグに合わせられる酒、というのが山口の酒が目指すところだ。
 一方、山縣本店の山縣社長、はつもみぢの安達部長ともに、意外な日本酒のアテとしてチーズを提案。これなら今日の夜からでもすぐに試せそうだ。

【地酒イベント】山口の地酒を味わってみたい、という人にオススメのイベントが予定されている。

 ◇秋を楽しむひやおろしの会 10月20日(午後6時30分〜)
「中島屋酒造場」「山縣本店」「はつもみぢ」ほか山口県内の12酒蔵が集まる。獺祭の「旭酒造株式会社」も参加予定。場所は周南市のホテルサンルート徳山でチケットは7000円。

 ◇はつもみぢ酒蔵まつり 10月22日(午後2〜8時の予定)
 人気の酒かす詰め放題はなくなり次第終了。酒蔵バーでは酒の杯売りに加えて、おつまみも用意している。