【ボートレース大村GⅠ「開設64周年記念・海の王者決定戦」(12日開幕):総展望】ボートレース大村の熊本地震被災地支援競走GⅠ「開設64周年記念・海の王者決定戦」が明日12日、6日間シリーズの幕を開ける。SGボートレースクラシックの覇者・坪井康晴を筆頭に、遠征陣には井口佳典、白井英治ら、今年のグレードレースタイトルホルダーたちがズラリと揃う。一方、地元・長崎支部からは石橋道友、赤坂俊輔、下條雄太郎がスリートップを形成し、満を持して迎え撃つ。さらに、グレード戦線で開幕ダッシュに失敗した瓜生正義、峰竜太、池田浩二が、反撃を期してV争いに加わる。イン天国の大村で今年はどんな戦いが繰り広げられるのか興味津々だ。

 ここ最近の7大会、優勝戦1枠に座った選手の成績は優勝かフライング…。両極端な結果が残っている。イン天国と言われるデータがある大村だけに、1枠=勝って当然という空気の中で戦うわけで、力が入る(入り過ぎる?)のもうなずける。いずれにせよ、予選からの積み重ねは、他のレース場以上に重要度を増す。

 さて、そんな中、長崎支部軍団が第47回大会(古川文雄=引退)以来の地元勢による周年V奪還にチャレンジする。参戦するのは樋口亮、石橋道友、赤坂俊輔、下條雄太郎、桑原悠。いずれも直前(9日)まで九スポ杯を走っていた面々である。このアドバンテージを生かさない手はない。開幕ダッシュをかけて、主導権を握りたい。

 一方、遠征陣も強力だ。今年すでにSG、GⅠ、GⅡタイトルをゲットしている選手がズラリ。坪井康晴=SGクラシック(平和島)、吉川元浩=2月近畿地区選(尼崎)、田中信一郎=2月住之江周年、井口佳典=3月戸田周年、白井英治=3月からつMB大賞(GII)とそうそうたる顔ぶれだ。

 中でも白井の充実ぶりがキラリ。からつでは強烈な行き足を武器に、篠崎元志、毒島誠、石野貴之らの攻めをピシャリと完封。まんまと逃げてVをゲットした。モーター次第では一躍、主役に躍り出る。

 巻き返しを期すのは瓜生正義、峰竜太、池田浩二。ともに賞金レースでは現状、ちょっぴり出遅れている。瓜生は今年ここまでVゼロ。また、峰、池田ももうひとつクリーンヒットがない。ただし、いずれも勝率や1着数のデータはそう大きく落ちているわけではない。課題があるとすれば、グレードレースの勝負どころで、どこまで本領を発揮できるかだろう。それぞれ大村は得意なほう。反撃開始はここからだ。

 U—30の有望株が多数参戦するのも、話題のひとつだ。ひと際目を引くのは深谷知博の頑張りである。津周年(3着)→三国周年(3)とGⅠで連続優出。三国では予選をトップで通過している。惜しくもVまで手が届いていないが、地力アップは顕著。自慢の快S攻勢でスタンドを沸かせるか。また、その他にも海野康志郎、松田大志郎、黒井達矢、秋元哲と楽しみな選手が揃う。彼らの存在なくして穴予想は成り立たない?