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【ボートレースアカデミー】「握る」と「パンチ力」


舟券的中への近道 ボートレースアカデミー

アクセルペダルにあたる「スロットルレバー」

【握る】一般的には「おすし」を連想させる言葉だが、ボート用語で「握る」といえば目的語は100%「スロットルレバー」だ。選手コメント欄にも「握って回ると舟が暴れる」「明日は握って攻めたい」など登場頻度は高い。

 ボートの操縦席の左側に装着されているレバーは自動車でいえばアクセルペダルにあたる。これを握るとボートは加速。レバーを完全に握り込んだ「全速状態」でターンすることを全速ターン、もしくは「握りマイ(回る)」と呼ぶ。逆にレバーを緩めるとエンブレがかかって失速。レバーから手を離すことを「放る」という。

 このように「握る」という表現には「思い切りよくターンする」「豪快に攻めていく」というニュアンスが詰まっている。例えば3号艇の選手が「カドから握っていきます!」とコメントしている場合は「まくり切れそうだな」「むしろ、その外(4号艇)に展開が向くだろう」などと推理することもできるのだ。

 ボートレースにおいてレバー操作はハンドル操作以上に重要。高度な旋回技術を持つトップレーサー池田浩二は「ターンはハンドルじゃなくレバーでする感覚」というほどで、レバーを握ったり緩めたり…という微妙な操作が旋回力を左右する。

 レーシングゲームの急カーブでアクセルを微妙に調節する感覚に近いかもしれない。運転中にアクセルを強く踏むことを「握る」と当てはめると分かりやすいだろうか。

【パンチ力】何げなく使っているボート用語には、あいまいなものもある。カタカナ語が増え続ける今、「パンチ力」なんて言葉もあいまい用語の代表例だ。

 仲口博崇の優勝で幕を閉じた東海地区選手権開催中に愛知支部の強豪に解説を願うと三者三様、微妙に意味合いが違う。

「言われてみれば、はっきりわからないよね…。オレはあまり使わないけど」と前置きした上で仲口はこう説く。

「オレの認識としては伸びよりも瞬発力系の足。パンチ=出足だと思う」

 この見解に異を唱えるのは平本真之だ。

「僕は特徴がない足の時に“パンチがない”って使います。特に伸びがなくて、上とは差がある時。メチャクチャ伸びると気分的にもいいし、パンチがあるほうが成績がいい時も多いですからね」

 パンチ力はないよりもあるに越したことはないと考えていたが「そんなことはないですよ。僕はいりません」と否定的な見方をする選手もいる。柳沢一の理由はこうだ。

「だってどこかに偏った足にするってことは他の足を犠牲にしていることにもなりますからね。僕の目指す調整はどの足もまとまって中堅上位。これが一番好き」

 東海地区選第61代覇者の仲口は出足型、第60代覇者の平本は伸び型、第59代覇者の柳沢はバランス型を理想形としてGⅠ戦線を戦っている。

 3選手の見解はそれぞれ異なり、まさに“あいまい”ではあったが、われわれ記者間での認識はパンチ力=“破壊力”とか“威力”といった意味で捉えているのだが…。

 選手コメントでは「何を、どこの足」を指しているのか、もう少し深く突っ込んで取材する必要がありそうだ。

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