女子レーサー 初公開!秘蔵ショット

【喜井つかさ(25=岡山、103期)】女子ボートレーサーのお宝写真を初公開する好評企画。今年ラストを飾るのは岡山の元気印・喜井つかさだ。彼女が提供してくれたのは生々しい2枚のレントゲン写真。一体、これは…?

 真っ二つに折れた骨。凄惨な事故を想起させるに十分なレントゲン写真だ。持ち主の喜井はこう語る。

「一枚は事故直後の写真(上)で、もう一枚はプレートを入れた後の写真(下)です」

 2014年11月19日、宮島一般戦の初日に悲劇は起きた。1号艇で登場した喜井は落水した衝撃で橈骨尺骨(とうこつしゃっこつ)を骨折。すぐに救急車で病院へ搬送された。

「落水の瞬間は痛みより初日1号艇で勝てなかった悔しさの方が大きかったんです。救助艇に乗ったときに初めて左手に違和感を覚えました。ベッドでプロテクターを外した瞬間、ものすごい痛みを感じました。もう救急車の振動も痛くて『もっとゆっくり走って!』って思いましたね(笑い)」

 その後は治療とリハビリに専念。約2か月後に復帰したが「まだ怖さがあって以前のようなレースができていない」と思い悩んだ。しかし同時に事故が与えてくれたこともあるという。

「あの事故は初優勝した直後でした。気が抜けていたのかもしれません。ケガをして、前にも増して集中してレースに臨むようになりました。一走への思いは確実に強くなりましたね」

 彼女の腕には今もプレートが入っている。事故のおかげで強くなれた、と思える日が来るに違いない。

☆きい・つかさ 1990年1月14日生まれ。岡山支部の103期生で2008年11月の児島でデビュー。10年9月の住之江で初1着、12年8月の下関で初優出((2)着)、14年10月の大村で初優勝。GⅠレディースチャンピオンは14年三国大会、15年まるがめ大会と2年連続出場中。来期(16年前期)は勝率5・57でA2級。通算1V。身長160センチ。血液型=B。