【ボートレース下関GⅠ競帝王決定戦(11日開幕):総展望】ボートレース下関のGⅠ「開設61周年記念・競帝王決定戦」出場メンバーには今年もSGタイトルホルダーがズラリと名を連ねており、第61代目のチャンピオンの座をめぐって、激しいバトルを繰り広げる。当地周年5Vを誇るレジェンド・今村豊が、前回に続く連覇を達成するのか、あるいは賞金レースをにらみ瓜生正義、茅原悠紀らの巻き返しがあるのかなど、見どころは満載だ。

【連覇目指す今村豊と地元軍団】数々の伝説を残してきた今村は、4月マスターズチャンピオンの完全Vにより、またひとつ自身のエピソードを増やした。舞台が地元であればもちろん人気は絶大。そのファンの支持を力に変え、地元の晴れ舞台へと挑む。

 前回の60周年記念では乗り心地の強化にてこずり、予選1着ゼロのピンチに陥った。だが、勝負どころで素晴らしい集中力を発揮し、準優勝戦=02、優勝戦=01。気合の快スタートをぶち込んで、池田浩二ら強敵を一蹴。通算5度目の下関周年Vは、まさに気持ちで勝ち取った一戦だった。

 さて、近況はGⅠでも着実に予選を突破するなどまずまず順調。山口支部が誇るレジェンドが、遠征陣の前に立ちはだかる。そして、今村のほか、山口支部勢からは8人が参戦。当然、実績十分の今村、白井英治、寺田祥、谷村一哉の四本柱にかかる期待は大きい。後に続く大峯豊、海野康志郎、森野正弘には、世代交代を印象付けるような走りを見せてほしい。

【復調急、毒島誠が台風の目に】毒島はこれまで当地周年での実績はゼロに等しいものの、近況の活躍は素晴らしい。9月多摩川周年(優勝戦=6着)、桐生周年(優勝)と急復調。前走の宮島周年でも連続Vを果たした。勝負とみればコース取り、スタート、コーナー戦ともシビアに運ぶ。追う価値がある一人だ。

 賞金ランク急上昇で注目される瓜生は、前々回の当地周年では“非常識な”Fに散るなど、ここまで同タイトルには縁がない。好リズム維持なら鬼門克服も可能だが…。

【ヤングD組では】松田祐季が“旬の男”ぶりを発揮する。9月のヤングダービーでは他を圧倒するような勝ちっぷりではなかったにせよ、いつの間にか予選首位→Vの方程式を完成させた。切れ味の鋭さにタイトル=自信が加われば、もう怖いものはない。

 同準Vの岡崎恭裕も久々に大舞台で存在感をアピールした。機敏なコース取りと気合のこもったスタート攻勢は、さすがSGクラス。賞金ランキングは30位まで浮上。ここまでくればターゲットはただひとつ、GP18人への枠入りである。

 昨年のGP覇者・茅原はそろそろ転覆禍から脱しないと、今年のGP出場が見えてこない。8月SGメモリアル、9月三国周年、ヤングダービーと3節連続で転覆。勝ち上がりのチャンスを棒に振っている。現在の賞金ランキングは23位。“尻に火”状態で当地入りする。