【宮島GⅠ大渦大賞IN宮島(29日開幕):注目レーサー】今節は来年春にリニューアルオープンするボートレース鳴門の代替開催。鳴門の看板を背負う5人衆が宮島に乗り込んでくる。その中から今回は大将格の烏野賢太にスポットを当てた。

 ――まず、来年から今節のタイトルにもありましたが、鳴門ボートがリニューアルして復活しますね。待ちわびたんじゃないですか

 烏野:そりゃそうですよ。仲間内の地元ファンが多いから「まだか、まだか」と言われてましたし(笑い)。年に3~4回しか走らないけど、僕も楽しみにしてました。

 ――その今回走る宮島ボートについてはどうか

 烏野:あんまり乗りやすいと思ったことがないんですよね。水面特質かもしれないけど、うねりでコロコロ変わるし、仕上がるまで時間がかかる。気持ちよく乗れるようになったことはないですね。

 ――宮島は低出力の新エンジン2節目だが

 烏野:まだ、低出力エンジンを分かってないんですよね。こうしたらええのかなってのが分かってきた。手探り状態の中、何とかします。

 ――GⅠ、SGでの戦い方について

 烏野:やっぱりエンジンはそこそこ出ないと厳しいよ。中の上くらいないと太刀打ちできない。あとは今までの経験で何とかしたいね。

 ――最近は若手の“ニュージェネレーション”の台頭が著しいが

 烏野:僕らも昔はあんなスピードあるターンやってたんやで(笑い)。ただ、それが年齢を重ねることによってできなくなってきた。今はそのスタイルで戦うと勝てない。経験をもとに現状に合ったスタイルでレースしてる。

 ――ただ、烏野選手はいつみても若く見える。何かされてるのか

 烏野:自分なりには走ったりせず筋トレしてる。ジムとかには行ってない。昔なら好き勝手やってたけど、今は体力が落ちてきてる。今は昼開催より夜の方が体は楽。昼間だと試運転するのがきつくなってきた。ずっとやってきてるけど、しんどいわ(笑い)。

 ――今年掲げている目標はあるのか

 烏野:今はチャレンジCに出ることを目標にしてる。昔は、ダービーに行きたい気持ちが強かった。ただ、時期もあるしそう簡単に行けるもんじゃない。チャレンジCは1月1日から目標を立てられる。確かに女子のGIIチャレンジCができ枠が減って厳しい状況には変わりない。ただ、ダービーよりチャレンジCで結果を残せばその先(グランプリ)が見えてくる。残り2か月でその位置にいればいい。

 ――話は変わるが、阿波おどりといえば烏野選手のイメージが強い

 烏野:まあ、好きでやってるのでレースとは別物。価値観は自分の中で五分五分かな。逆に記者さんも何かに夢中になってることあるでしょ?

 ――そ、そうですね

 烏野:それと同じ。自分の場合は現在ならAKBにはまった感じかな(笑い)。小学校5年に阿波おどりを見て感動した。すごいグループ(葵連)と思って4日間付きまとった。まあ、ストーカーですね(笑い)。小学校6年からしてるのでもうすぐ40年くらいになる。

 ――(葵連に)入ってからが大変だったんじゃないですか

 烏野:当時、入れてくれず、入れても1年間見学で衣装も踊らせてももらえなかった。ただ、そんなのを含めて今の自分がある。何かAKBになった感じですね(笑い)。

 ――感動しました。もし良ければその阿波おどりの写真を1枚拝借させてもらえないでしょうか

 烏野:ごめん。それだけは勘弁して(笑い)。いろんな社に言われたことあるけど、プライベートは分けてるのよ。ただ、鳴門代表として頑張る気持ちは強い。ファンの声援もあるので自分のレースでアピールします。

☆うの・けんた=1967年12月20日生まれ。徳島支部。87年7月鳴門一般戦でデビューし、その節間に通算3勝をマーク。89年2月宮島タイトル戦でデビュー初Vを飾る。GⅠ=64優出V14、SG=17優出V2と実績は申し分ない。ベテランになってもさばきは健在だ。身長は164センチ。同期(60期)は高橋淳美、倉谷和信、浜村芳宏、藤丸光一、川崎智幸、谷川里江ら。血液型=O。