【ボートレース多摩川GⅠウェイキーカップ 開設61周年記念(3日開幕):注目レーサー】石渡といえば「江戸川鉄兵」の愛称があるほどの江戸川巧者。ただ、好走するのは、何も江戸川だけではない。ここは11年9月のGI・57周年以降、今年3月の60周年までの直近10開催は、すべて予選を通過。多摩川でも安定した走りを見せている。

 石渡自身も「多摩川は苦手なイメージはないですね」と好相性だ。ここは94年、レーサーとしてデビューしたプール。「若いころは多摩川でずっと練習をしていた。スタートを切った本数も一番多いと思う」と話す。今ある自慢のS力。その原点は多摩川で養われた。

 今でも「よそでダメでも地元に戻ってくると、立て直せるという感じはある。そういう意味では(多摩川の存在は)大きいですね」と思い入れもある。

 あとは、持ち前の攻撃力を発揮する足に仕上げることだ。最近は出力低減エンジンの調整に苦労することも多いという。ただ今回は、地元・東京勢の出場も多く、調整のアドバンテージは大きい。「いいエンジンを引かなかったとしても、早めに修正もできそう」と地の利を最大限に生かすつもりだ。

 意外にも、東京3場でGIの優勝がないのは多摩川だけ。「タイトルが欲しいことは欲しい」。静かに語るなかに闘志を燃やす。「ここはスタートが見やすい。仲間も多いし、安心感もある。7月のSG(三国)、GI(福岡)は良くなかったので、しっかり仕上げてリズムを上げていきたい」とキッパリ。気合の走りで当地GI奪取、そして東京3場GI完全制覇を目指す。