◇磯部誠(31)愛知支部105期

 ボートレース浜名湖のSG「第68回メモリアル」が23日に開幕する。各ボートレース場から推薦されたトップレーサーは最高峰の舞台での戦いを心待ちにし、ファンもハイレベルな走りに興奮する。そして、胸の中で祭り太鼓のような力強い鼓動を鳴り響かせる。直前カウントダウンコラム「祭り太鼓が鳴り響く」第1回はSGでの活躍が光る磯部誠が登場。SGVへの思いを明かした。

 2018年のまるがめメモリアルでSGデビュー。昨年はクラシック、オールスター、グラチャン、オーシャンC、メモリアル、ダービー、GPシリーズの7大会に出場。今年もここまでの4大会に参戦し、メモリアル、ダービーにも選出されており、すっかりSG常連となった。

 内容も今年はオールスター、グラチャン、オーシャンCで予選突破。特に宮島オールスターでは予選トップ通過を果たし、SG初優出はもちろん初Vも射程圏に入れていた。結果は準優5着敗退。磯部自身は「今年のSGの中で宮島のエンジンが一番、良くなかった。だから宮島は今、思い返しても〝何で予選を首位で突破できたんだろう〟と思うレベル」と首をかしげる。

 ただ、この予選トップ通過位が磯部の評価を上げた。師匠の池田浩二は宮島の準優敗退直後に「大丈夫。お前ならSGを取れる」とポンと肩を叩いたという。西山貴浩も「磯部のエンジンは本当に良くなかったですからね。それでも、しっかり調整して予選トップ通過。あいつは必ずSGを取りますよ」と断言する。

 ここまでSG23大会に出場。まだ、優出はないが準優進出は9回。そのうち4回が優出にあと一歩の準優3着敗退とあって「SGでは何とかしのいで結果を残している。しのいでいるけど、もう準優3着はいらないって感じ」と笑う。もはやSG常連から〝SGV候補〟と呼ばれる存在になっている。

 今年は8優出3V。GⅠでも3優出1Vとハイレベルで安定しているが、自身の感触は「最近はペラで迷うことが多い。熱くなってからずっと…。着は取れているけどペラは迷っている」ともうひとつだ。

 それでも2走前のとこなめで7戦全勝の完全Vを達成するなど、しっかり結果を残している。浜名湖も通算7優出3Vと実績ある水面で「結果で見てもそうだけど、相性のいい水面だと思っている」と自信をのぞかせる。

「ボクも競馬とか他の競技を楽しんでいるので舟券を買ってくれるお客さんの気持ちはよく分かる」という。だからこそ「もちろんSGで優出、優勝はしたいと思う。でも、まず目の前の一走一走をしっかり走るだけ」と〝一走入魂〟の思いがブレることはない。