女子ボートレーサーのパイオニアとして活躍した鵜飼菜穂子さん。レディースチャンピオンも1990年の第3回から3連覇と実績十分。〝インの鬼姫〟と呼ばれた鵜飼さんが今大会の見どころを紹介する。

 こんにちは。皆さん、お久しぶりです。最近はとこなめボートのユーチューブ「にゃんこの目」を中心にSGで呼ばれた時は、お客さんの前で解説みたいな仕事もやらせてもらってます。

 尼崎のオーシャンカップを見ていてふと思ったんだけど、最近はSGでもまくりの決まり手が増えたんじゃないかなあ。これまでのイメージとしては3号艇が行って4号艇が差すケースが多かったけど、最近はどこからでもまくりにいく人が出てきた感じがする。もともと女子では高田ひかるちゃんみたいな人もいたけどね。

 舟券を買っているお客さんからすれば、まくりが増えたのは楽しいと思う。スタートでのぞいても差しに構える選手を見たら何だよ~ってがっかりすることもあるでしょ。でも、最近は無理やりにでも行く人が増えた気がするなあ。その方が見てる人は面白いだろうし、レースが盛り上がっていい傾向ですよね。

 まるがめは干満差があって風も難しい。スタート力のある選手により一層チャンスがあるレース場ですよ。インはそんなに強くない。今回、注目してるのは中村かなえちゃん。スタートがすごく早いし、怖いもん知らずみたいな勢いがあるわよね。同じ視点でいけば地元勢では西村みっちゃん(美智子)もやってくれでしょう。それとももか(中村桃佳)もまくり屋だし、自力で握って回る選手の活躍を期待してます。

 ずっと一緒に戦ってきた山川(美由紀)や日高(逸子)さん、テラッチ(寺田千恵)なんかもまだまだやると思いますよ。山川がまだこれだけ頑張ってるのは私なりに思うところもあるのよね。一緒に記念やSGに出始めたころ、私は内から行ってグチャグチャにして嫌がられていたけど、山川はずっと外からやってたからね。ああいう経験がずっと生きてるから今でもこの位置で頑張れてるんじゃないかなあ。これから上に出ていく選手には山川の姿勢は見習ってほしい。

 今はエンジンが一番だから前検日に抽選した段階でだいたい相場が出来上がっちゃう感じもするのよね。ダメなエンジンを引いた時、モチベーションを上げるのが難しいけど、テラッチなんかは調整力もあるし、その辺がベテランの強みなんじゃないかな。まだまだやると思うわよ。

 最近の女子戦は枠なり傾向で個性を発揮しづらい時代になったけど、今回はまくり屋に頑張ってほしい。握って攻めて楽しくておもしろいレースが増えることをすごく期待してます。私みたいに内を狙う選手が出てきても、それはそれでいいけどね(笑い)。