◇中村かなえ(28)東京支部121期

 ボートレースまるがめのプレミアムGⅠ「第36回レディースチャンピオン」が2日に開幕する。今回の〝真夏の女王決定戦〟には6人のレーサーが初挑戦。着実に地力を磨き上げて女子2大タイトルを争う舞台にたどり着いた。直前カウントダウンコラム「女子力」最終回はデビュー当時〝リケジョレーサー〟として注目された中村かなえをクローズアップした。

 お茶の水女子大学理学部出身の〝リケジョ〟というボートレース界では珍しい経歴もあってデビュー直後から注目されてきた。
 
 2017年11月に平和島でデビュー。ここから水面でも着実にステップアップしてきた。19年3月のまるがめでは5コースからまくって初勝利。21年7月の住之江で初優出。級別も2022年前期にA2初昇格。同後期には6・15と自己最高勝率をマークした。

 そして、今回、女子ビッグレースの一つであるレディースチャンピオンの出場権も手に入れた。「GⅠはずっと出たいと思っていたのでレディースチャンピオンに出れることはうれしい」と満面の笑みを浮かべる。

 自身の現状については「エンジンの調整を合わせられているとスタートも行けることが多い。そういう時は勝てますね。でも、旋回力とかはまだまだだと思う。調整の正解を見つけられないとズルズルと着外が続いてしまうことがあります」と冷静に分析する。

 初GⅠの舞台となるまるがめは初勝利のメモリアル水面。「でも、その初勝利から1回も呼ばれてないんですよね。ひどいですよね(笑い)」と話す。「メモリアル水面ではあるけど、あの時は外のコースからしか走っていないし、調整も単純なことしかやっていなかった、だから、印象と言っても何もないんです。調整とかも全然、分からないです」と一からのスタートとなる。

 ただ、昨年は7月と9月に優出しているように夏場の調整には好印象を抱いている。「好きなペラの形が回転を上げる系なので冬場はどうしようもなく回転が上がってしまったりすることもある。だから、夏場の方がイメージとしては好きです」と明かす。

 この言葉通り、近況は優出にはあと一歩、届いていないが3走前の桐生ヴィーナスS→2走前の津ヴィーナスS→前走の若松GⅢオールレディースと3節連続でしっかりと予選は突破している。2走前の津では準優1号艇を獲得するなどシリーズを引っ張った。〝真夏の女王決定戦〟での活躍にも期待がかかる。

「目標は予選突破とかよりも、まずはGⅠで1勝をしたいです」。大舞台でも一歩ずつ着実に前に進んでいくつもりだ。

☆なかむら・かなえ 1993年9月4日生まれ。東京支部所属の121期生。東京都出身。2017年11月の平和島でデビュー。19年3月のまるがめで初勝利。21年7月の住之江で初優出。これまで優出は4回も優勝はまだない。同期に沢田尚也、梶山涼斗、高橋直矢、上田健太、来田衣織ら。