◇平高奈菜(34)香川支部100期

 ボートレースからつのSG「第32回グランドチャンピオン」の開幕が21日に迫った。2022年のSG第1弾・3月の大村クラシックでは、遠藤エミが女子初のSG制覇という歴史的偉業を達成。続く5月の宮島オールスターでは、平高奈菜が女子では史上5回目となるSG優出と、女子レーサーの勢いが止まらない。カウントダウンコラム「滾(たぎ)る」最終回は、オールスターでVへ近づいた平高がSGへの思いを明かした。

 昨年のグランプリ覇者の瓜生正義、前回SGとなる5月・宮島オールスターを制した原田幸哉、2022年後期適用勝率トップで1月の芦屋GⅠ69周年V、3月の大村SGクラシック優出など今年9優出4Vと活躍が光る毒島誠、からつではSG、GⅠ優勝がある今垣光太郎、グラチャン3Vの湯川浩司、地元・住之江のGⅠ66周年を制して乗り込んでくる石野貴之、SG12Vの実績を誇る王者・松井繁、艇界屈指のS巧者で3月の当地GⅠ68周年を制した菊地孝平――。

 トップレーサーの中でもよりすぐりの面々がズラリと揃っただけに、V戦線は大激戦となることが必至だ。さらに大会をヒートアップさせるのが平山智加、平高奈菜、守屋美穂、遠藤エミの女子4選手だ。

 からつグラチャンと言えば、2001年の第11回大会で寺田千恵が女子レーサーでは史上初となるSG初優出という、ボートレースの歴史を動かす快挙を達成している。それから21年が経った今年3月の大村クラシックでは、遠藤が史上初の女子SG制覇という偉業を成し遂げた。

 そして、からつでは寺田が快挙を達成した2001年以来21年ぶりにグラチャンが開催され、史上最多となる4人の女子レーサーがSGタイトルに挑戦する。流れは〝女子〟にきていると言っても過言ではないだろう。

 中でも注目は5月の宮島オールスターでSG初優出を果たした平高だ。2020年12月の浜名湖PGⅠクイーンズクライマックスV。昨年6V、今年も4Vと好調だ。

「最近は気持ちの面で少し違う部分があるかな。以前はあっせんが詰まって、ずっとレースを走っていると気持ちが切れてしまうようなこともあった。でも、最近は気持ちが切れそうになったらペラ調整を変えてみるとか、ピットでの過ごし方を変えたりとか、気持ちを切らさないことができるようになった。そういう気持ちで楽しくレースするのが理想だと思う」とメンタル面でのコントロールが大きなプラスになっているという。

 SG優勝については「自分が次の女子SG優勝を、なんて言われても、それは違うかな。自分はSG優出ができれば、という立場だから…」と控え目に語る。ただ、その一方で「自分は運がないタイプ。自力でどうにかして頑張る!」とエンジン抽選運が良くないことを引き合いに出しながら意欲を明かす。持ち前の積極果敢なレースで〝SGの中のSG〟に挑む。