【夫婦ボートレーサー泣き笑い】「出力低減エンジン」と悪戦苦闘

2015年07月23日 10時00分

新型エンジンの調整法に四苦八苦する黄金井
夫婦ボートレーサー泣き笑い 力良&裕子の交換日記

【黄金井力良の巻】ボート界に今、ある変化が起きています。

 昨年末から全国のレース場で順次導入されている「出力低減エンジン」のことです。

 突発的な接触事故の衝撃緩和、人身事故の防止を目的に、従来のエンジンより出力が1馬力小さくなりました。

 7月2日からはボクの地元・戸田でも新型エンジンが導入され、現時点で全国24レース場のうち17場が使用しています。

 実際にレースする選手にとっては、いろんな部分で“修正”が必要になるんです。例えばスタート。エンジン出力が変わると、風や波による影響も変化するためスタートタイミングにも微妙な誤差が生じます。

 スタートするときは、看板や空中線を見ながら大時計の秒数とスリットラインまでの距離を計算するのですが、今までのエンジンでは150メートルの看板を通過するのが7・0秒前でしたが、新型エンジンでは7・2秒前。こういう差を埋めるのが、なかなか難しいのです。

 ボクが新型エンジンで初めてレースしたのは今年2月のとこなめレース場でした。前検日、初日はずっと強い向かい風が吹いていて、その感覚で早朝スタート練習を行いました。

 そして迎えた初日の1号艇。

 スタート展示までは変わらず向かい風だったのですが、本番レースの直前に追い風に変化。

 これが命取りでした。

 風が変わったのは確認したけど、起こしのタイミングを調整し切れずフライング。しかもコンマ06の「非常識なF」で即日帰郷となりました。それが僕の出力低減エンジンのデビュー(涙)。今までのエンジンの感覚でいくと、どれだけ風の影響が大きくなるのかを身をもって体感しましたね。それがあったからか、その後はスタートもしっかり決まるようになってきました! 1走目の勉強代は高かったけど、それを今後の勝率アップの役に立てないと…。

 プロペラに関しても修正は必要。新型エンジンでは、どの回転域に一番力があるか?を体で感じながらプロペラを叩いて合わせないといけません。ボクがデビューしたときは「持ちペラ制度」といい、事前に加工・修正した自分持ちのプロペラをレース場に3枚持っていくことができました。当時はアルミの棒や鉄のハンマーを使って大幅の修正も可能でしたが、今の制度では引いたエンジンに付随しているプロペラ1枚しか使えません。道具も木製のハンマーと棒のみ。修正できる幅も狭くなった上に、今回の新型エンジンによってまた一段と調整が難しくなったと思いますね。

 とはいえ、ボート界にはこれまでも様々な制度変更がありました。その変化にうまく対応し、時代に合わせて努力して生き残っていきたいと思います!

☆こがねい・りきら=1986年3月4日生まれ。埼玉支部の100期。2007年5月の戸田でデビュー。10年4月の江戸川で初優出。優勝は未経験。15年後期は勝率5.38(A2級)。14年の獲得賞金額1660万2000円。身長173センチ。血液型=A。

 <次回は妻・中西裕子が執筆=8月6日掲載>