◇毒島誠(38)群馬支部92期

 ファンの夢を乗せてトップレーサーが走るボートレース宮島のSG「第49回オールスター」が24日に開幕する。ファン投票トップ3に焦点を当てたカウントダウンコラム「星の航跡」最終回は1位の座を射止めた毒島誠が登場。2022年後期適用勝率でも頂点に立っており、まさに人気&実力を兼ね備えたトップレーサーだ。自身初の〝トップ当選〟に何を思うのか――。その心境を吐露した。

 10年連続11回目のオールスター出場。今回は自身初のファン投票1位での出場となる。票数は2万6575票。「ファン投票で選んでもらえたのはビックリしたし、うれしい。ボートレースのファンも増えている中での1位というのもうれしいですね。恥ずかしいレースはできない。感謝の気持ちを持ってレースしたいと思います」と〝トップ当選〟の思いを素直に語った。

 ファン投票1位で出場した選手で優勝したことがあるのは野中和夫さん(3V)、山崎智也さん(1V)、峰竜太(1V)の3人で計5回。今回は史上4人目の偉業に挑む大会でもある。

 オールスターの優勝はないが、SG7V。これは歴代11位タイ、現役では6位タイとなる数字。さらに2013年の若松オーシャンカップ以来、開催されたすべてのSGに出場を続けており、今回のオールスターでSG71大会連続出場となる。もちろん、これは歴代1位の大記録だ。

「レース自体やることは変わらない。いつも通りに頑張るだけ。やるべきことをやって結果につなげたい」と冷静に意気込みを明かす。ボートレース界の中でもトップクラスの実績を築き上げてきているだけにファン投票1位からの優勝の可能性は十分あるだろう。

 今年は1月の芦屋GⅠ69周年など3V。SG第1弾の大村クラシックでも優勝戦に駒を進めたのをはじめGⅠでも3優出とハイレベルで安定した航跡。また2022年後期適用勝率(昨年11月から今年4月まで)も全選手でトップの8・20をマークした。「普段はやらないような調整をしていました。新しいことをやったというのではなくて苦手としていた調整に挑戦していた。それで冬場をしのげたことが数字に出たんだと思います」と自己分析する。

 グランプリに8回出場、優出6回もまだ頂点には届いていない。〝あと一歩〟の壁を乗り越えるために何が足りないのか、何が必要なのか――。この課題を乗り越えるために試行錯誤を続けてきた。その成果のひとつが勝率トップという結果につながったのだろう。

 まだまだ進化を続けるトップレーサー。まずはドリーム1号艇をしっかりモノにしてオールスター初Vへのスタートを切る。