◇西山貴浩(35)福岡支部97期

 人気レーサーが激突するSG「第49回オールスター」が24日に幕を開ける。舞台はオールスター初開催となるボートレース宮島だ。ファンが投じた一票が出場につながる大会とあって、選ばれたレーサーはいつも以上にファンへの感謝の思いを胸に走る。中でも、その思いが強いのが西山貴浩だ。今回は中間発表でトップ。最終的には2年連続2位での出場となった艇界のエンターテイナーが「オールスター」への思いを語った。

「オールスターは〝ファンのレース〟だと思っています」――。大会への意気込みを語る第一声が、この言葉だった。

 ファン投票2位。2万4575票。今回は4年連続6回目の出場。昨年の若松大会での準優進出をはじめ過去5回のオールスターでは3回、準優勝戦に駒を進めている。「準優までは行くんですけどね。何とか、その先に行きたいですね」。優出、そして悲願のSGVへの思いは募るばかりだ。

 昨年は1月に江戸川GⅠ65周年記念Vと幸先のいいスタートを切ったが、5月に下関一般戦で2回目の優勝を飾り、これで打ち止めとなってしまった。「流れは悪かったですね。エンジンの引きも悪いし…。もともとエンジンの引きはいい方じゃないけど、これだけ悪いのはなかなか…」と頭を抱えていた。2022年後期適用勝率も6・73。2019年後期以来6期ぶりに7点を割った。

 ただ、リズムが悪い中でも、しっかりと試行錯誤を繰り返していた。「久しぶりに6点台なってしまったけど、いろいろと試していた部分もありましたから…」。3節前の地元・若松のGWシリーズで約1年ぶりのV。続く徳山一般戦でも準Vと、再び結果が出るようになってきた。「若松では久しぶりにいいエンジンを引けたし、流れが変わったかもしれませんね」とリズムは好転。

 調整面でも「若松で水摩(敦)クンに伸び型の調整を教えてもらたんですよ。今までも菅(章哉)クンとか伸びをつける調整を教えてもらったこともあるんですけど、今までとは違う調整方法ですね。若松の次の徳山でもいろいろ試してみましたが、新しい引き出しができたかもしれません。オールスターでも枠や状況に応じて使えそうです」と大きな収穫もあった。オールスターでの活躍に向けて準備は整いつつある。

 さらに「今回も初日に映像で選手紹介を流す形になるとは思いますけど、開会式がない分、ファンの皆さんを喜ばせるようなことはしたいですね」と艇界のエンターテイナーらしく陸の上でもしっかりとファンサービスをするつもりだ。

 まずは選手紹介でキッチリと仕事、そして水面でもしっかり結果を出して「ファンのレース」を大いに盛り上げる。