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【ボートレース・思い出の名勝負】川崎智幸「ダービー転覆に悔いはない」


ボート界のレジェンド 語り継ぎたい思い出の名勝負

【川崎智幸(48=岡山・60期)】(2000年ダービー、戸田)

 今回の“ボート界のレジェンド・語り継ぎたい思い出の名勝負”は川崎智幸。彼が今も忘れられないあの一戦とは?

戸田ダービーから得たものは大きいという川崎

 来年4月のプレミアムGI「マスターズチャンピオン」の出場資格を得たように、48歳ながら、昨年9月の児島GI開設62周年記念を快勝。地元岡山勢に24年ぶりの優勝をもたらした。

 今年もクラシック、グラチャンに7月のオーシャンとSG戦線にもレギュラー出場し、デビュー29年目を迎えた現在もまだまだ元気いっぱいで、最前線で活躍している実力派だ。

 そんな川崎は自身初のSG出場となった1996年5月の児島オールスターでいきなり初出場初優出したのを手始めに11回のファイナルチャレンジがあるが、まだタイトルは手に入れていない。

「あの(初めてのSGだった)児島も1号艇で優出していたしチャンスはあったけど、当時は1号艇だからインが取れるっていうレースではなかった。それよりも何といっても、忘れられない、一番の思い出に残っているのはあのダービーだね」

“あのダービー”とは2000年の第47回戸田大会。池上裕次がSG初優勝を果たした大会だ。当時、川崎はすでに5回のSG優出を経験、96年には「グランプリ」12強にも入ったトップレーサーで、そろそろビッグタイトル奪取の期待が高まっていた時期だった。

 その優勝戦は1周1Mでまくり差しを決めた川崎が先行したが、2Mで池上に差し返され両者のマッチレースに。ツバ競り合いのデッドヒートで迎えた2周1M、運命の展開が待っていた。「1等しか考えてなかった。勝たなければ2等も6等も一緒って考えていた」川崎は勝負のツケマイに出たが、これが大失敗。まさかの転覆を喫した。

「当時はいろいろ言われたよ。周囲の選手にもファンにも…。“いいレース”だったって言う人もいるし“おとなしく2着キープしなければ”とか賛否両論ね。一緒のレースにいた植木(通彦=現やまと学校長)さんにも“良かったぞ、素晴らしかった”って褒められたけどね。まあ自分の中ではお金(賞金)じゃなかったんだ。優勝しか考えられなかった…」

 もちろん逃がした魚のデカさは身に染みているが「今思えば、あれで(タイトルを)取らなかったから今の俺がある。ここまでやってこれたって気もするし、取ってたらもう辞めていたかもしれないとか、いろいろ思うところはあったよ…。でも悔いはないんだ」と後悔はしていない。

 先ごろ引退したあの加藤峻二氏や“ミスターボートレース”今村豊のような、いくつもの輝かしいタイトルこそ持たないが、間違いなく川崎もまた“艇界のレジェンド”の一人だ。

☆かわさき・ともゆき=1967年4月19日生まれの48歳。岡山支部。87年5月、宮島デビューの60期生。93年8月の大村で初優勝。GIは98年3月の住之江「開設41周年記念」で初制覇以降、7回の優勝があるが、SGは優出11回も未勝利。同期は烏野賢太、浜村芳宏、倉谷和信、藤丸光一、谷川里江、高橋淳美、選手会長の上滝和則ら。身長162センチ。血液型=O。

 

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