◇白井英治(45)山口支部80期

 いよいよ〝匠の祭典〟プレミアムGⅠ「第23回マスターズチャンピオン」が19日に幕を開ける。45歳以上の熟練レーサーがボートレース三国に集結。愚直に積み重ねてきたテクニック、駆け引き、調整力を駆使しながら意地とプライドを激しくぶつけ合う。直前カウントダウンコラム最終回は初日ドリーム戦1号艇でデビューする大物ルーキー・白井英治にスポットを当てた。

 出場資格の年齢が45歳以上に引き下がったこともあり、SGで主役を張る強豪が毎年のように大物新人としてデビュー。大物新人=V候補筆頭格として脚光を浴びるのが近年のマスターズの流れとなっている。昨年も原田幸哉がルーキーイヤーに優勝を飾った。

 今年は白井がマスターズデビューを果たす。2017~21年にかけて5年連続で年間8点オーバーの勝率を残している。昨年もグランプリ準VをはじめSG5大会で優出。今年も1月の芦屋69周年記念(3着)、前節の蒲郡67周年記念(2着)でGⅠ優出と高いレベルで安定。まさに第一線で活躍しているレーサーだ。今大会は選考勝率トップで出場し、ルーキーながら初日ドリーム戦は1号艇で登場。当然、V有力候補だ。

 ただ、マスターズ初参戦にも「別にいつもと変わらんよ。普段通り走るだけですね」と気負いはない。あくまでもマイペースを貫いてクセモノ揃いの難敵に立ち向かう構えだ。

 30代に差し掛かったころから常にSGタイトルに近い男と言われ続けた。ただし、優出すれどもなかなか勝ち切れず、14年の若松メモリアルで初制覇を果たすまでデビューから17年4か月も要した。初戴冠を阻んだ面々の中には今大会に参戦しているベテラン勢も多く、今度はフレッシュなルーキーとしてかつてのライバルに牙を剥くシーンに期待したい。

 ルーキーには陸の上でも様々な雑用が待ち受けている。エンジン吊りや艇番の装着でも率先して動かなければならず、周囲の気配りも求められるが「今回は自分が新兵になるので、陸の上でスピードを見せてやろうかなと思ってます」とニヤリ。冗談交じりにこう語る姿に早くもマイペースの余裕が感じられる。

 舞台となる三国は大舞台での実績こそないが、一般戦で2Vと苦手意識はない。13個目のGⅠタイトルのコレクションにマスターズチャンピオンの勲章を新たに加えることができるか。

 期待の大物ルーキーが「いつも通り」の超速ターンで存在感をアピールする。