【若松GⅠ・全日本覇者決定戦】旧官営八幡製鉄所で日本近代史の再発見を

2015年06月05日 11時55分

たくさんの観光客が訪れている現在の高炉(写真提供=新日鉄住金(株)八幡製鉄所)

【ボートレース若松・GⅠ全日本覇者決定戦(6日開幕):周辺の観光スポット】ボートレース若松がある福岡県北九州市の今年最大のトピックといえば何といっても「明治日本の産業革命遺産」が来月にも正式に「世界文化遺産」として正式登録されることだろう。

「明治日本——」は8県11市、23施設にまたがる構成群で成り立ち、日本人自らの手によって猛烈なスピードで欧米列強に肩を並べるほどの近代化をなし得たという、世界でも類を見ない歴史的意義が評価された。正式登録となれば2013年の富士山、14年の富岡製糸場と絹産業遺産群に続き3年連続の快挙となる。

 その中のひとつが旧官営八幡製鉄所(現・新日鉄住金八幡製鉄所)で、旧本事務所、修繕工場、旧鍛冶工場の3施設である。旧本事務所を望むことができる眺望スペースが4月17日にオープンし、ICOMOSの勧告発表後から観光客が押し寄せて活況を呈している。

 北九州市関係者によると、1899年に建てられた赤レンガ造りのモダンかつ荘厳な雰囲気があふれる旧本事務所を一目見ようと、オープンから1か月弱で約3000人の観光客が訪れ、ゴールデンウイークなどの祝祭日、週末などの休日になると1日で約300人が足を運んでいるという。

 また、休日のお昼時を中心に新日鉄住金の元作業員が観光ガイドとして作業当時の話や、3施設の内部の様子などを詳しく説明している。しかし、旧本事務所は一般には非公開。眺望スペースでの写真撮影も禁止となっているため、観光客からは「写真も撮れないのか…」といった落胆の声も多いという。

 そこで市も対策に乗り出す。先月末から土日祝日限定ではあるが、眺望スペースと最寄りのJRスペースワールド駅、そして「北九州イノベーションギャラリー」を循環する無料バスの運行を開始。

☆官営八幡製鉄所旧本事務所眺望スペース…JRスペースワールド駅から徒歩10分 開場時間=午前9時30分〜午後5時 定休日=月曜日 入場無料 電話093・582・2922

北九州イノベーションギャラリー

 その立ち寄り先のひとつであるイノベーションギャラリーでは旧本事務所などの内部の映像や昔の映像などをビデオで上映し好評を博している。また、世界文化遺産登録応援展の「東田ものがたり」では、官営八幡製鉄所の当時の設立のいきさつがパネルで詳しく紹介され、旧本事務所の設計図や実物の事業報告書、日誌、木製の水道管などの貴重な歴史資料とともに展示されている。

☆北九州イノベーションギャラリー…北九州市八幡東区東田2—2—11 開場時間=午前9時〜午後5時 休館日=月曜日 登録応援展「東田ものがたり」は21日まで開催 観覧料=一般300円、大学・高校生100円、中学生以下は無料 電話093・663・5411

いのちのたび博物館

「いのちのたび博物館」でも世界文化遺産登録応援展の「炭鉱の記録と記憶」が催されている。こちらは製鉄には必要不可欠である石炭を供給し、官営八幡製鉄所を支え続けた筑豊炭鉱や北九州の炭鉱にスポットを当てている。また、2011年に日本で初めて世界記憶遺産に登録された山本作兵衛氏の炭鉱画10作品を中心に、当時の炭鉱労働者の生活ぶりを伝える作品群を展示。学芸員の日比野利信氏は「日本の近代化にとって筑豊炭鉱は非常に重要な役割を担っていた。日本の近代史を見直す手段、証拠として今回登録となる23施設以外、その裏側にも、もっと多くの近代化遺産があることを知ってもらいたい」と話した。

 世界遺産登録前に日本近代史を再発見してみてはいかがだろうか。

☆いのちのたび博物館…北九州市八幡東区東田2—4—1 開場時間=午前9時〜午後5時 休館日=年末年始 登録応援展「炭鉱の記録と記憶」は21日まで開催 観覧料=大人500円、高校生以上の学生300円、小中学生200円、小学生未満は無料 電話093・681・1011