
ボートレース桐生のGⅡ「第6回レディースオールスター」(優勝賞金450万円)は27日、12Rで優勝戦が行われた。強風のため安定板装着、2周戦で行われた決戦は、カドからコンマ11のトップSを決めたファン投票1位・守屋美穂(33=岡山)が強烈なまくり一撃を決めてバック水面に抜け出すと先頭でゴール。通算24回目の優勝(GⅡは3回目)を飾った。
内に並ぶ3艇は出足も伸びも万全の仕上がり。おまけに進入は動きなしの3対3。助走はたっぷり取れるだけに、ダッシュ艇が伸びたところで1Mまでに伸び返し、首位争いを演じるはず…だった。中でも1号艇・田口節子のデキは「自分が節一」と予選から語っていたように完璧で乗りっぷりも無双。機力もテクも文句なしの田口が敗れるなら〝予想外の展開〟しか考えられなかったのだが――。
確かにスリットは高田ひかると長嶋万記がややヘコむ隊形。それでも致命的な遅れ方ではない。田口の足なら1Mまでに伸び返して先マイできるはず。多くの本命党はそう思っただろう。
「Sはちょっと様子を見たけど、3号艇(長嶋)が遅れていたら(まくりに)行こうと決めていました」
カドからのぞいた守屋に迷いはなかった。荒れ水面を切り裂いたまくりは田口に抵抗するチャンスすら与えない。2番手の競り合いを尻目に電撃の2周戦を一気に駆け抜けた。
ピット帰投後は涙があふれて止まらない。ファン投票1位で乗ったドリーム戦(1号艇)で逃げ切れなかった(2着)ことや「優勝戦1号艇でもったいないレースが多かった」と過去の手痛い敗戦が脳裏をかすめたのだろう。しかし、この夜の優勝は大本命・田口を真っ向勝負で打ち負かした価値ある勝利だ。
「今日は結果が出せたので100点です。でも、序盤は不甲斐ないレースもあったし、まだまだ実力は…。これからもっとターン技術を上げていきたいです」
向上心にあふれる女王は今後の活躍を「見ていてください!」とファンに誓った。
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