ボートレース桐生のGI「第67回関東地区選手権」は12日の最終日、12Rで優勝戦が行われた。その大一番は大波乱の結末。圧倒的な人気に推された1号艇・中野次郎(40=東京)がまさかのフライング。無欲の6号艇から挑んだ今泉友吾(32=東京)が最内差しからの恵まれでVを拾った。

 1Mは大外6コースから最内に差し込むと、バックSはインから先マイした中野に続く2番手。その直後、中野に無情のFコールが告げられた。これが2019年の三国「第6回ヤングダービー」以来となる2回目の記念レース優出で、見事にGI初優勝。優勝賞金480万円と3月16日から始まる大村のSG「第57回クラシック」の最終切符を手に入れた。

 だが、レース後の今泉に笑顔は皆無。「びっくりしています。まさか優勝できるなんて思ってもいなかった。あ、優勝しちゃった…っていう感じで実感が湧かないです」とキツネにつままれたような表情だ。

 前日の11日には鳴門の「四国地区選手権」で112期同期の山田祐也(32=徳島)がGI初優勝を飾ったばかりで「同じ6コースでしたね。でも、決まり手は違うけど(笑い)」と〝連動〟したことを喜んだ。

 ラストチャンスで獲得した大村SG「クラシック」については「昨日までSGに出られるような感じは全然なかった…。もう緊張しています」と照れくさそう。

 それでも愛妻で同期の富樫麗加(32=東京)の話となる、とようやく笑顔もこぼれ「次節、桐生(GⅡレディースオールスター)を走りますからね。このエンジンを引いてほしいですね」と〝幸運のバトン〟を託した。

 なお、優勝戦の売り上げは5億9628万8000円のうち約87%にあたる5億2067万8800円が返還された。また、中野はこのFで4月4~9日の宮島GI「開設68周年記念」終了後に30日のF休み。その後、戦線復帰後の半年間はGI・GⅡを走れなくなる。