ボートレース福岡のプレミアムGⅠ「第10回クイーンズクライマックス」は最終日の31日、12Rで優勝戦が行われ、2コースからコンマ12のトップスタートを決めた田口節子(40=岡山)が強烈なまくりで大会初V。自身3回目のGⅠ優勝を果たした。

 博多名物の〝1Mのうねり〟に足元をすくわれる選手が目立ったシリーズだったが、さすがは今年の〝ベスト12〟だ。トライアル初戦からターンの迫力が違った。そして3戦にわたるトライアルを勝ち抜いたのは、技量はもちろん、エンジンも仕上げた6人。中でも注目されたのは、トライアルで6号艇2回の不利を克服して1号艇をつかんだ平高奈菜と、トライアル3回の1号艇で屈辱の未勝利に終わった4号艇・遠藤エミだった。

 インとカドの激突の構図――そこに割って入ったのが黒いカポックの田口だ。「スタート展示(コンマ07)より遅い見え方だったので、フルかぶり」の全速スタートを決めると、イン平高奈菜に対して半艇身のぞく。そこから間髪入れずにまくって出る。イン平高の抵抗をねじ伏せると、外を二段で握った遠藤も振り切り、女王の走りで栄光のゴールを目指した。

「緊張して1Mは手が動かずハンドルが入らなかったし、2Mもオドオドしながら乗っていた。3周、新人みたいな感じでした」

 豪胆に見えて内面は繊細。これまで「自分を追い込み過ぎていたので、今回はリラックスして臨もうと…」と張り詰めた気持ちを緩めた効果もあり「今節は楽しめた」と能力全開に成功した。

 9月に女子で初めての24場制覇を達成した思い出の地で新たな勲章を手に入れた田口は、来年も遠藤、平高と好勝負を演じてくれるだろう。