【児島プレミアムGI「マスターズチャンピオン」:カウントダウンコラム(3)】ボート界を支えてきた古豪たちの祭典がいよいよ開幕! 児島プレミアムGⅠ「マスターズチャンピオン」が14日、熱戦の火ぶたを切る。本紙恒例の直前連載3回目は、昨年の年間最多勝利選手に輝いた田頭実(48=福岡)が登場する。

 数々の伝説を持つ男がついにマスターズの舞台に姿を現す。ビッグレースを前にしても「特別な思いはないですね。自分もそんな年になってしまったのか…というくらい」と淡々と語るが、これまでの足跡を見る限り“何かしでかしそう”だ。

 いまや語り草となっている2005年の若松GⅠダイヤモンドカップ。「F3本持ち」という重い足かせがありながら、4コースからトップS(コンマ19)を決めてまくり差した。田頭の武器といえば一にも二にもスタートだ。

 昨年1年間の平均STはコンマ13でスタート力は衰えを知らない。その一方で通算フライング本数は「61」。現在もF2本持ちだが「Fを切ってしまったけどリズムはいいと思いますよ。Sは無理できないけど、そこまでのハンディにはならないと思う」と言い放つ。Fと背中合わせの武器があるからこそ、史上唯一の「F3でGⅠ制覇」という伝説が残せたのだろう。

 昨年は127勝を挙げて年間最多勝利選手となり、また一つ勲章を手にした。どのコースからでも1着を目指す“攻める”レースに徹した証しでもある。さらに今大会はレジェンド・今村豊に次ぐ選考勝率(7・54)第2位という好成績でドリーム戦2号艇に堂々と座る。これについても「初日の2回走りだと調整が間に合わないし、1日を捨てることになる。12Rの1回走りは時間もあるし、ペラ調整をゆっくりできるので自分的にはいいこと。余裕が出てきますね」と前向きだ。

「まずまずの成績が残せているし、相性はいいと思う」という児島水面は13年6月以来の登場。同節で優出(4着)、その前の11年12月には優勝を飾っており、水面相性としても好材料といえる。

 大会2週間前にマスターズ年齢制限の48歳となった最年少。「自分のレーススタイルは貫いていきたいですね」。あくまでも田頭らしく、栄冠を取りにいく。

☆たどう・みのる=1967年3月29日生まれ。福岡支部。86年5月、若松デビューの58期生で同期には池上裕次、平石和男、三角哲男らがいる。3走目に初勝利。6年目の91年6月に初優勝。GIは97年3月のダイヤモンドCで初V、SGは99年7月のオーシャンCと“メモリアル”はすべて地元若松で飾っている。通算56V、GI・4V、SG2Vの実力派。