【4日開幕!大村GⅠ海の王者決定戦】ボートレース大村の新スタンドが先月20日に完成し、同28日からの5日間シリーズでファンにお披露目された。2013年9月17日に着工して以来、約1年7か月をかけてリニューアルデビュー。初日には開場前から約2000人のファンが長蛇の列をつくるほどの熱狂ぶりだった。地元ファンがいかに新スタンド完成を心待ちにしていたかを物語る。初日の本場入場者数は8235人。2日目も7793人を数え、大村市競艇企業局の田中克史局長は「正直言って想像を超える人数で驚くとともに感無量です」と感謝の念に堪えない。足早に“コンパクトで効率的な施設”をコンセプトに新装したボートレース大村の施設を巡ってみる。

 入場してすぐ右手にあり、一番に目に入るのが「発祥の地記念館」だ。大村といえばボートレース発祥の地。1952年4月6日に産声を上げた、ボートレースの第1レースで記念すべき1着を取り、さらには優勝まで果たしたというボート、モーターが陳列されている。ここまで盛況となったボートレースの第一歩、一ページを刻んだ歴史遺産である。

建物の中はホテルのラウンジのようだ
建物の中はホテルのラウンジのようだ


 さらに、大画面でレースの疑似体験ができるマイボートレース体験や、草創期の地元大村の選手によるインタビュービデオ等、ボートレースの歴史が一目で分かる仕様となっており、オールドファンならずとも楽しめる空間だ。

 新スタンドの顔とも言えるのが、300席を備えたイベントホールだ。これも地元ファンが待ちに待ったもの。大村ほど市民とレース場が密着したレース場は、全国レベルで見ても他にはない。毎週行われるカラオケ大会や毎年開催されるダンス、舞踊大会(九州各地から数十チームが参加する)等、広く市民に開放され、利用されている。イベント、発表会等に利用したい向きには、いつでも申し込みを受け付けているというからありがたい。

 市民密着の新機軸として登場した多目的スペース「ROKU」にも注目したい。カラオケの機材やバーカウンターを設置。こちらもレースの開催に関係なく予約して借りられるシステムだ。女子会などにはうってつけだろう。

 清潔感あふれる授乳室も完備した「キッズルーム」はもちろん、室外の噴水(ミストや間欠泉のように水玉が飛び出す)が、早くも子供たちに人気となっている。女性には、公共施設などのトイレの設計で著名な建築士・小林純子さんの手による「パウダールーム」の併設もうれしい。

 観覧席に目を移そう。全面ガラス張りの一般席が932席、特別観覧席38席(1000円)、ペアシート104席(700円)、グループシート4ブース(2000円=4人まで使用)、レディース・カップルシート94席(無料)と充実度は高い。新装の香りあふれる新スタンドで、有意義な一日が過ごせそうだ。

ロースカツサンドをほおばる碇舞衣さん
ロースカツサンドをほおばる碇舞衣さん
佐世保バーガー
佐世保バーガー

 フードコートもファンが待ちわびたコーナーのひとつ。休みの日に家族で食事に出かけるのが大好きな大村市民。核家族化なんて無縁といった、ほのぼのとした雰囲気が穏やかな市民性を醸す。フードコートは1階と中2階にあって佐世保バーガー、ちゃんぽん、ラーメン(あごだしラーメンが人気)、丼もの等、長崎の名物料理の店が6店舗営業。1階のシーウォーカーズ・カフェは、負けて熱くなった方におすすめかも? ホテルのラウンジ風のソファに身を委ね、コーヒーや軽食で気持ちをクールダウン。運気好転への活力としたい。