夫婦ボートレーサー泣き笑い 力良&裕子の交換日記

【黄金井力良の巻】ボートレース戸田をホームプールとする埼玉支部の中で、デビュー6年未満の選手が集まる「彩輝会」というグループがあります。

 ボートの乗り方、レースの仕方、プロペラ調整やエンジン整備などの情報交換をし、切磋琢磨してお互いに成績を上げようという目的で作られました。

 僕は2011年1月から3年間、会長を務めさせていただきました。現在はグループを卒業していますが、今回はそんな「彩輝会」を紹介します。

 選手になるための基本的な訓練はレーサー養成施設の「やまと学校」で受けていますが、いざデビューとなると、すべて自分で考えてレースに臨まないといけません。僕も当初は右も左も分からない状態だったので「彩輝会」の存在はとても大きかったです。普段のレースでは近くで見ることができない乗艇姿勢を教わったり、一緒に練習することで間近で“何か”を感じることができます。

 プロペラ調整でも季節、エンジンに合った形の情報を得ることができます。

 新人選手だと月に1~2節の出場なのでレース間隔が空いてしまい、その間に合う形が少しずつ変わってしまいます。そんな時に戸田に練習に行けば、レースから帰ってきたばかりの彩輝会メンバーとプロペラの情報交換ができるんです。それを基にプロペラゲージ(翼面の仕上がりをチェックする測定機器)を作って次のレースへの準備をすれば、現場で調整に素早く対応できるので、これは大きなメリットです。

 相乗効果もあります。彩輝会メンバーの成績が上がると「自分も頑張らなければいけない」「負けたくない」という気持ちが強くなり、全体の底上げにつながるんです。

 ここ最近は桐生順平、黒井達矢、中田竜太、佐藤翼など埼玉の若手選手が注目されていますが、それは「周りの勢いに乗り遅れたくない!」という強い気持ちの人が集まっているからだと実感しますね。

 負けず嫌いたちが集まる練習は容赦ないです。後輩にもコテンパンにやられたり…。もっと僕も頑張らないとダメだ(笑い)。

 他の地区にも「ヤング会」は存在しますが、特に埼玉支部は練習の環境に恵まれています。

 戸田の開催期間中は、レースに出場していない登録番号の下4人は水面の障害物を除去する「掃海艇」の仕事があり、レース出場中の他支部の選手に顔を覚えてもらえたり、本番レースの雰囲気を味わうことができます。こんな経験ができるのは戸田だけだと思いますね。目の前でレースを見た後はすぐに練習できるので「自分もああいうターンがしたい!」と目的もハッキリする。そうするとヤル気も起きますね。

 僕も先輩のうまいターンをマネしようと練習していました。

 でも、気合が入り過ぎてしょっちゅう転覆していましたけどね(汗)。

☆こがねい・りきら=1986年3月4日生まれ。埼玉支部の100期。2007年5月の戸田でデビュー。10年4月の江戸川で初優出。優勝は未経験。15年前期は勝率5・38(A2級)。14年の獲得賞金額1660万2000円。身長173センチ。血液型=A。

 <次回は妻・中西裕子が登場=4月9日掲載>