伝統のSG「第68回ダービー」が26日、東京・ボートレース平和島で激闘の幕を開けた。

 初日注目の「ドリーム戦」は大方の予想通り、絶好枠の峰竜太(36=佐賀)が逃げ切り快勝。2着に同支部で直弟子の上野真之介(33=佐賀)が入り「狙っていた」(峰)、師弟ワンツーを決めた。

 一方、中盤戦以降、このドリーム戦メンバーを苦しめそうなのが、山口剛(39=広島)ではないだろうか――。

「ここで終わるか来月、年末までいけるか…」

 現在、賞金ランキング35位。大詰めを迎えている11月末の多摩川SG「第24回チャレンジカップ」出場権争い、さらには艇界最大のビッグイベント・住之江SG「グランプリ」に向けて文字通り〝背水の陣〟を敷いての臨戦だ。

 その重要な今シリーズ、初戦(4R)は5号艇ながら4コースを奪取。1Mは丁寧に差すとイン稲田浩二を捕らえ、見事に1着ゴール。幸先いい滑り出しとなった。

 肝心な機力は「前検は手前の足がなかったのでそこを求めて調整をしたら狙い通りの反応があった。エンジン自体も最近は上位の次くらいだったらしいし、足併せで40%機の坪井康晴さんよりも良かった」と72号機のパワーを引き出した。

 さらに「レース後にギアケースの調整をして試運転をしたら、乗りやすさもきたし、もっと良くなった感じ」と気配は上昇一途。山口の今大会に懸ける意気込みに目に見えない後押しすら感じられるほどだ。

 もともと気持ちを前面に押し出して走る〝ファイター〟タイプ。何せ初めてGI優勝を飾った2008年1月のまるがめ「新鋭王座決定戦」(現在のヤングダービーの前身)はF2の重ハンディを抱えてもぎ取ったモノだし、SG初制覇だった10年3月の当地「第45回クラシック」は2号艇からインを強奪して制した。ここ一番での決定力、スイッチが入った時の破壊力はピカ一! 生粋の〝勝負師〟が本領を発揮する時が来た。