勝てそうな予感があった地元SG

2015年02月12日 10時53分

ボート界のレジェンド 語り継ぎたい思い出の名勝負

【長岡茂一(49=東京・57期)】(1998年多摩川、メモリアル)

 

 艇史に残る幾多の名勝負を繰り広げてきたベテラン、古豪たちはまだまだ意気軒高――。1日にはその世代が健在ぶりを強調するプレミアムGI「第16回マスターズチャンピオン」(4月14日~児島)の出場メンバーも発表され、ますます注目度はアップ! 今回の好評「ボート界のレジェンド 語り継ぎたい思い出の名勝負」は関東地区を代表する“ファイター”長岡茂一(49=東京・57期)の登場だ。

 デビューはバブル全盛の1985年。当時のボート界はまだまだこわもてであくの強い古豪やうるさ型のベテランが勢力を誇った時代。ようやく今村豊ら“新世代”の若手たちが登場し始め“世代交代”の波が動きだしたばかりだった。

 デビュー直後からその“超”強気な攻撃でメキメキと頭角を現し、わずか3年でGI初制覇。瞬く間にその名を全国区にとどろかせた。そんな長岡の思い出の大一番とは?

「そうだね、地元(多摩川)で勝ったSG(第44回メモリアル)ももちろんだけど、あれは勝つべくというか、なんか勝てそうな予感があった。不思議な流れにはまった感じ。それよりも自分ではあれ以上に心に残っているレースがあるんだ」

 それが93年3月GI住之江36周年記念だ。

 当時の「住之江」といえば“ボートレースの聖地”と呼ばれ、全国24のレース場の中でも断トツの知名度を誇り、一日の売り上げが10億円超などザラで、常に熱気に満ちあふれていた。

「住之江はスタンドからして特徴的っていうか1Mの辺りが水面にせり出している感じで、すごく迫力があって一種独特の雰囲気があった。ファンの声も“熱い”し、走っている選手にもそれが伝わってきた。“ここで勝てたらかっこいい”ってずっと憧れていたくらい」

 その優勝戦は“モンスター”の異名を取った当時最強の野中和夫や“瀬戸の大魔神”安岐真人、吉田重義、山根強(すべて引退、敬称略)ら強豪ばかり。

 そんなメンバー相手に大激戦を繰り広げ野中、吉田との3艇競りから2M逆転勝ち。「そう野中さん、“モンスター”をやっつけちゃったって! うれしいのはもちろん、すごく苦労して勝ったレースだったし、あれで自分に自信を持てたし、その後に大きな影響があったと思う」としみじみ。これまでのSG2勝、GI12勝という輝くべき実績もあの住之江での経験が大きな糧となったわけだ。

 4月にはいよいよプレミアムGI「マスターズチャンピオン」にも初出場するが「今はレーススタイルや乗り方もずいぶん変わった。いつかは内志向になるかも知れないけどレースが小さくなりそうだしね…。なるべく内志向にならないように踏ん張りたい」とまだまだ気持ちはなえていない。

 さらには「この年になるとまたデビュー当時と一緒でここから“再”スタートだよ。勝率で頑張って『ダービー』出場、優勝回数を稼ぎ『クラシック』出場を、って。SGにまた出てやるって気持ちは常に持っている」とSG再登場に向けて、ひそかに牙を研いでいる。

☆ながおか・しげかず=1965年8月8日生まれ。東京都出身、埼玉支部。85年11月、多摩川デビューの57期生。同期には亀本勇樹、小畑実成、山川美由紀ら。デビューわずか1年弱の86年9月、大村で初優勝。91年1月の徳山「第5回新鋭王座決定戦」でGI初制覇。SGでは98年8月、地元・多摩川の「第44回ボートレースメモリアル」でSG初優出初優勝を飾るなど、これまでGI12勝、SG2勝、通算86優勝を誇る強豪。