◇仲谷颯仁(27)福岡支部115期

 ボートレース徳山のプレミアムGⅠ「第8回ヤングダービー」がいよいよ21日に幕を開ける。若手レーサーが同世代に負けじとライバル心をむき出しにして熱戦を繰り広げる。その中心となるのは、やはりSG、GⅠで活躍している実力派レーサーだろう。カウントダウンコラム「はじまりの決戦」最終回は、すでにGⅠタイトルを獲得しV候補の一人として名前が挙がる仲谷颯仁をクローズアップする。

 2018年2月の若松・九州地区選でデビュー4年目にしてGⅠ初V。SGにも15大会出場するなど記念戦線が主戦場となっており、若手世代の中では〝格上〟の存在だ。

「早く記念を取れたんで、もっとトントンと上がって行きたかったんですけどね。まだSGでは活躍できてないですし…。それでも地力のアベレージは右肩上がりにきていると思う。調整もレースも、引き出しは増えていると思います」と成長の手応えをしっかりとつかんでいる。

 近況は「すごく悪かった。何か噛み合ってなくて…。でも、今年はたまたま結果が出てないだけと思いたいですね」と、ひと息。その原因については「エンジン出しがあまり良くなかった。調整をし過ぎるところがあるので、今はそれを直し中です。もっともっとと上積みを求め過ぎてた。壊さないようにするのが大前提ですからね。乗り心地重視で行き足やその延長で伸びを求めて調整して両方くればいいんですけどね」と分析している。ただ直前の地元・若松で今年初V。リズムは上げて乗り込んでくる。

 これまでヤングダービーでは2018年・蒲郡では準V、2019年・浜名湖では予選首位通過と結果を出してきた。同世代対決に向けて「ライバル意識は特にないです。やることは変わらないので、いつも通りやるだけです。ピット内は楽しいし、刺激をもらえますしね」とリラックスモードで臨む。115期は仲谷をはじめ野中一平、関浩哉、川原祐明、豊田健士郎、加藤翔馬の6人が参戦。「メッチャ仲いいですよ。ドリーム戦は4号艇(仲谷)、5号艇(豊田)、6号艇(野中)で同期ですしね。同期と一緒に頑張りたいです」と同期の仲間たちの共闘も楽しみのひとつだ。

「F2にはなれないのでS勝負はできないけど、そのレースに合わせて勝てたら、差しでもまくりでもうれしい。まだ来年のSGの権利を取ってないし、優勝を狙って全力で頑張ります」と闘志満々。ハイレベルな舞台で培った経験値を武器にシリーズをけん引する。