【6日開幕!戸田GⅠ関東地区選:注目選手】毒島誠(31)群馬・92期
2014年6月29日、深夜0時。毒島誠は自宅の作業場で黙々とプロペラを叩いていた。この日は菊地孝平が優勝した浜名湖SG「グラチャン」最終日。もちろん彼も出場していた。
午後9時半に帰宅。1週間の緊張から解放されたばかりというのに、帰宅直後から作業場へ向かい、そこから約3時間、日付が変わるまでプロペラを叩き続けた。
「楽しいんですよ。やらずにいられない。家でリプレーを見ていると『もし、ペラをこう叩いたら?』ってひらめく。そうなったら夜中でも作業場に行く。20セットのゲージをひらめきで掛け合わせ、新しい1セットを生み出したり。どんなささいなことでも思ったときに行動する。一度叩くだけで体に染み込み、やった分だけどんどん蓄積されていくんです」
これは今に始まったことではない。新人時代から師匠・江口晃生に呼ばれて夜中に作業したこともざらだ。
「記念に出る選手はみんなやってます。僕なんかやってない方ですよ」と謙遜するが、努力は裏切らなかった。
一昨年、まるがめメモリアルで悲願のSG初制覇。昨年はGⅠ戦線で安定した成績を残し2年連続でグランプリ出場。「一発屋」で終わらないばかりか、いまや全国のトップレーサーに成長。その背景には「思い立ったら行動」の積み重ねがあったからだ。
「今年、グランプリに行けたら本物ですね。やっぱり2回ではツキもあるし…。今年を勝負の年にしようと思います!」
桐生順平、茅原悠紀ら次世代を担う「ニュージェネレーションズ」のリーダー格。関東チャンプの称号を手にし、華々しく15年のスタートを切りたい。