目指せ!「ヤングダービー」U-30の咆哮

【渡辺和将(24=岡山・103期)】昨年のグランプリは岡山の茅原悠紀が最内差しで優勝、1億円を手にした。成長著しい若手の多い岡山王国でこの男も虎視眈々と上位を狙っている。今回はイーグル会の次世代を背負う渡辺和将(24)だ。

 ターンスピードとS力は一般戦なら抜きんでている。デビューしてからトントン拍子でエリートの階段をのぼってきた。A級昇格後は一度B級に降格もA1を4期続けてキープ。

 ただ、今期は思わぬ壁にぶつかっている。1月20日現在、6・26まで勝率を回復させるも、5点台まで落とした時期もあった。GⅠあっせんが増えたことで結果が出ずにもがき苦しんでいたのだ。「記念はレベルが違う。みんなエンジンを出す。特に展開を読む力とターンスピードにたけてる人が多い。だからGⅠ、SGで活躍されてるんだと思う。自分が全部が足りなくて…」

 それでも本人は前を向く。どちらかといえばコツコツ結果を残し向上心が強い。堅実さが持ち味だ。

「本来なら1周1Mでケリをつけたい。ただ、自分は道中で勝負するタイプ。どちらかといえば2、3着が多い。でも、上のレベルではちょっとのことで4、5着に落ちる。常に上(A1)を目指すためにもペラを含めてもう一度やらないとダメ。今が踏ん張りどころです」

 そんな渡辺をバックアップする環境は整っている。

 大所帯イーグル会でも期待される若手だけに先輩選手たちも助言を惜しまない。「川崎(智幸)さん、小畑(実成)さん中心にお世話になってます。自分は恵まれてる方だと思う。ほかにも岡山は(吉田)拡郎さん、茅原(悠紀)さん、(山口)達也さんと乗り越えないといけない選手が多い。選手になったからにはいずれSGで勝負できる選手になりたい」

 まだ先だがヤングダービーに関してはこう語る。

「前回はエンジンがひどくて何もできなかった。もちろん出るレースは全て一生懸命走る。まだ5回はチャンスがあると思うので狙える位置にいたら優勝したい」

 見つめるまなざしは常に上を向いている。高校を中退してまで受験し、一発合格した志もある。世代交代を進めるためにも結果を出してアピールしたい。

☆わたなべ・かずまさ=1990年2月12日生まれ。岡山県在住。2008年11月児島でデビュー。その年11月若松タイトル戦で水神祭を挙げる。13年5月に初優勝し、通算27優出V5。身長は167センチ。同期(103期)に市村沙樹、古沢光紀、深谷知博、黒井達矢、小野生奈、武富智亮、秋元哲、喜井つかさ、金子賢志ら。血液型=A。