ボートレース住之江のGⅠ「第49回高松宮記念」は最終日の7日、12Rで優勝戦が行われた。レースは地元から唯一優出した太田和美(48=大阪)がイン先マイに成功すると、2Mを悠然と先取りして勝負あり。通算20回目のGⅠVを5回目の「高松宮記念」制覇で締めた。

 まさに〝円熟〟という言葉がしっくりとくる。インからピタリと決めたコンマ10のナイスショットもそうだし、「1Mのターンの途中で」勝利を確信する落ち着きぶりも並の選手ではない。

 決戦当日も「調整はほとんどしていない。特訓でも、みんなより気配が良かったんでね」とあくまでも泰然自若。レース後の水上パレードでは「久しぶりにお客さんの声援を聞けたんで、気持ち良かった」と勝利の余韻をかみしめた。

 これで賞金ランクは17位と年末の一大決戦「グランプリ」出場圏内に浮上したが「グランプリは正直、意識していない」と最後までマイペースを崩すことはなかった。まさに円く熟した男は、これからもダンディーな立ち居振る舞いでファンを魅了することだろう。