◇中亮太(24)福岡支部122期

 約1600人のボートレーサーの中で熊本県出身は16人。「ボートレースは全く縁がなかったんですが、親戚の人に勧められました」という。

 2018年5月のデビュー以来、着実に勝率を上げて今年7月からA2に初昇格。さらに来年1月から適用される2022年前期勝率は11日現在で6・56。出走回数不足のためA1昇格は難しくなってしまったが、勝率自体はA1クリアのレベルだ。

「勝率が一気に上がったし、1着も取れるようになったけど、ここがこう変わったというところはないですね。ただ、考えて走るようになったのがレースでいい方に出ているのかもしれない」と飛躍の理由を自己分析する。

 課題はスタートだ。2節前の7月の三国でも初戦から3連勝と好発進を決めながら3日目にフライング。この勇み足により出走回数不足のためA1昇格も白紙。「師匠の松田竜馬さんにもスタートだけは気をつけるように言われていたんですけど…。ボクは2コース。3カドに引かれて、〝行かなきゃ〟という気持ちが強くなってしまった。メンタルの弱さが出ました。来年のトップルーキー、A1、来年のヤングダービーの3つが目標だったんですけど…。その点でも大反省です。西山(貴浩)さんにしても、塩田(北斗)さんにしても、まずフライングは切らないので見習わないと…」と猛省している。

 師匠の松田は「しっかりレースができるし、調整力もある。僕よりもうまいので教えることはないですよ(笑い)。これからノビシロもあると思う。前節にフライングを切ったのでスタート行かずに道中さばくレースも勉強していったらいいですね。課題はメンタルの部分だと思う。そこは経験していくしかない。3節前の桐生ルーキーシリーズでは優勝戦1号艇を手にした。結果は3着だったけどいい経験したと思う。これをどんどん味わってくれたらいい」と愛弟子を温かく見守っている。

 中も「グループの先輩の存在も大きいです。師匠の松田さんをはじめ、(塩田)北斗さんや中田達也さん、郷原(章平)さんにはいつもお世話になっています。このグループじゃなかったらクビになっていた。グループは違うけど、西山さんにもいつもかわいがってもらっています」と松田をはじめ先輩に感謝しきりだ。

「福岡支部で今、注目してる若手は中ですよ。面白いし、アイツは強くなると思いますよ」と西山も目をかける若手レーサーから目が離せない。

☆なか・りょうた 1997年5月3日生まれ。福岡支部所属の122期生。熊本県出身。18年5月に福岡でデビュー。19年7月のまるがめで初勝利。20年11月の福岡で初優出。通算3優出。