◇高田ひかる(26)三重支部113期

 ボートレース浜名湖で開催される真夏の女王決戦・プレミアムGⅠ「第35回レディースチャンピオン」が4日に迫った。カウントダウンコラム「天女伝説」最終回は豪快まくりで勝負する超攻撃派レーサーの高田ひかるをクローズアップ。〝まくり屋〟の矜持を明かした。

 昨年から伸びに特化した一撃仕様に開眼し、1号艇の時以外はまくり強攻の姿勢を貫いている。現在の女子ボート界の中でも一番の個性派といってもいいだろう。前検1番時計をマークして、展示タイムも他艇をぶっちぎることが多いだけに、その存在感は際立っている。

「攻撃派の高田」と言われることは何よりもうれしい。「この伸び型を始めてから最初のころは調整面や走り方で迷うことも多かったけど、毎節改良し続けて、最近は大きなミスが少なくなった。今のこのレーススタイルはすごく気に入っています」と誇らしげに笑う。

 コース不問で常にレースのキーマンとして注目される超攻撃派に成長した。レース前にオッズを見て「こういう売れ方してるんやな、と。百発百中でまくるのは無理やけど、やっぱり買ってくれる方の期待に応えたいと思うことは多い」と背中を後押ししてくれるパワーを感じ取っている。

 舞台となる浜名湖は昨年末のGⅠⅠⅠクイーンズクライマックスシリーズ以来となる。準優10Rでは6コースからまくって見せ場をつくったが、不発で3着。不良航法を取られてしまった。

「あの時も伸び型にチャレンジしてソコソコの足に仕上がっていたし、あれぐらいに仕上がれば楽しみでありますね。結果は残念だったけど、浜名湖は好きだし、また、まくりたい」

 真夏の大一番は2018年の桐生で初出場してからこれで4年連続参戦となる。前回、前々回とともに準優敗退となっているだけに「今回こそはもっとやりたい。もちろん優勝を狙ってます。予選はとにかくたくさんまくって勝ちたい。でも、優勝戦は1号艇で乗って、まくらないで勝てるようにしたいですね(笑い)」と早くも節間を通した勝利の理想像を描いている。

 個性派だからこそ堂々と言えることもある。

「常に面白いレースをしてファンに喜んでもらえるレースがしたい」

 かつて阿波勝哉がチルト3度を駆使してまくり一撃にこだわった姿を重ねるファンも多いだろう。ノーマル仕様の安定感を捨て、一か八かの破壊力を求めて勝負をかける姿勢にはファンの共感を呼ぶだけの底知れない魅力がある。