ボートレース芦屋のSG「第26回オーシャンカップ」は最終日の25日、12Rで優勝戦が行われた。枠なり3対3で始まったレースは1号艇・浜野谷憲吾(47=東京)がイントップスタートから先マイに持ち込むと、差した馬場貴也(37=滋賀)を振り切り、スリット裏から独走。2007年3月、平和島「クラシック」以来14年ぶり5回目のSG優勝を飾った。

 エース候補52号機を駆る6号艇・平本真之(37=愛知)がチルト2度の秘策を繰り出したが、自らを「成長しましたね(笑い)」という浜野谷の敵ではなかった。「平本がちょっと伸びてきたけど、まくられはしないな、と思ったんで自分のターンはできました」と完璧に運んだ1Mを振り返る。

 しかし、浜野谷らしさが出たのは2Mのターンもれだ。「2Mで失敗しちゃったんで、やっちゃった~と思ってたんですけどね。後ろのみんなももれていたんで助かりました(笑い)」と愛されキャラ全開である。失敗しても強く、失敗しても憎めないところに浜野谷という人間の神髄がある。

 2012年、1期後輩の山崎智也が、関東の選手として26年ぶりにSG「グランプリ」を制した直後に〝トモヤに先を越されて悔しくなかった?〟と聞いたことがある。これに対し浜野谷は「トモヤとは記念デビューもSGデビューも同時期だったし、ずっと関東代表として2人で戦ってきたでしょ? だからうれしかったね」と答えたものだ。この人間性、誰からも愛されるはずである。

 そして今年は、現在賞金ランク2位と3年ぶりの「グランプリ」出場が事実上確定した。ウイニングランでは無数のファンの声援を受け「まだまだ頑張らないといけないな」と肝に銘じると同時に「去年とやることは変わっていないけど、今年は流れがいい。勝てるところはジャンジャン勝っていきたい」と優勝にどん欲になるという。その上で「まだ自信を持っている」という〝スピード〟を武器に「取り損ねた賞金王(グランプリ)を取りたい!」と改めて年末を見据えた。