【SG「グランプリ」、GⅠ「クイーンズクライマックス」:カウントダウンコラム(11)】SGグランプリ、GⅠクイーンズC出場レーサーの決意(10)

<SGグランプリ出場:1位=菊地孝平(36)静岡・82期>今年は生涯最高の一年になった。まず、福岡オールスターで自身5年ぶりとなるSGV。そして「選手生活の中でグランプリと同じくらいの目標」に置いていた地元・浜名湖でのグラチャン制覇。SG2連勝の自信を胸に、その後も落ち着き払ったレース運びが随所に光った。グラチャン優勝時に自分のテーマを「淡々と走ること」と語ったが、とこなめダービー、下関チャレンジCの優出は、それを具現化した結果という見方もできる。

 グランプリは「選手としてどうしても取ってみたいタイトル」と意欲も見せるが、「ここまでいい結果が残せているし、このペースが自分のベストだと思っている。落ち着いて、今までずっとやってきたことを自分のペースでできればいい」と至って冷静。グランプリでも「淡々と」走る。

<GⅠクイーンズC:1位=平山智加(29)香川・98期>昨年の芦屋大会の覇者。人気、実力を兼備した女子レーサーとしてボート界のみならず、多方面にわたってその存在をアピールし続けた平山がビッグタイトルを獲得したのは極めて順当な流れだった。

 今年もV候補筆頭格に位置することに変わりはない。昨年の尼崎周年記念で男女混合GⅠを獲得。偉業を成し遂げたことで、他の女子トップクラスと違って主戦場は記念戦線へ。男子強豪ばかりを相手にしてリズムを崩すシーンも見られたが、やはり“女子限定”GⅠになれば、決め手の鋭さはピカイチだ。

「SGを多く走ることによって技術面や精神面で成長できたと思う。昨年に比べれば物足りないけど、だんだんと調子も上向いていると思います」

 かつて女子GⅠを連覇した選手は鵜飼菜穂子、谷川里江、田口節子の3人。4人目の快挙なるか?

<GⅠクイーンズC:2位=水口由紀(41)滋賀・70期>デビュー22年目のこの夏、女子ボートレーサーの祭典・プレミアムGI三国レディースチャンピオン(女子王座決定戦)で見事に初優勝! 今年のマネーレースの女子部門を終始、リードしてきた。結果的には平山智加の後塵を拝して第2位となったものの、初戦1号艇は確保している。

 そのレーススタイルには決して派手さはなく、むしろ、やや控えめで堅実なスタイル。質実剛健といった印象さえある。ある意味、玄人好み、いぶし銀の職人タイプでまさに“クール&ビューティー”と形容していい。

 大一番を前にしても水口は「下関のレディースチャレンジは休み明け2節目でまだ準備の段階。本番までにしっかりと準備をしたい。レディースチャンピオンを勝っているけど、今大会も強い伏兵という気持ちで臨みたい」と泰然自若。この冷静さが最大の武器になるはずだ。