【SG「グランプリ」、GⅠ「クイーンズクライマックス」:カウントダウンコラム(10)】SGグランプリ、GⅠクイーンズC出場レーサーの決意(9)

<SGグランプリ出場:2位=太田和美(41)大阪・69期>言わずと知れた先のSG「チャレンジカップ」の覇者。あの優勝で3年連続でのSGタイトル制覇となり、もはや「グランプリ」の顔、常連の一人となってきた。

 今年は春先から全SGに出場。「クラシック」(優出(3)着)と「グラチャン」(優出(4)着)、そしてくだんのチャレンジVと順風満帆の走りですでに獲得賞金も1億円を突破。松井繁を抜いてランキング第2位でトライアル2ndの1号艇を決めた。

 舞台となる平和島水面は、それまでさほど良績はなかったが、今年5月のGI開設60周年記念Vで「いいイメージでいけそう」と好ムードだ。

 さらにCC制覇で「ここ数年は悪いリズムでグランプリに行っていたが今年は最高のリズムで臨める。大阪支部の4人で優勝戦に乗りたい。黄金のヘルメットは毎年かぶりたい」と16年ぶり2度目の優勝に意欲満々。

<SGグランプリ出場:3位=松井繁(45)大阪・64期>グランプリは初出場の1995年から19回目の出場。成績も14優出3Vと他を圧倒する。現在のグランプリは“松井VSその他の選手”の図式だといっても過言ではない。

「今年は(2月にGⅠ近畿地区選、3月にSGクラシックを優勝して)賞金的には楽に走ることができた。ただそれ(グランプリに出ること)とグランプリ(で勝つこと)は別」

 短期決戦という特殊なバトルだけに、舞台が実績のない平和島なのは懸念材料だが「いつも通りに淡々と自分の仕事をするだけ。結局はエンジンを出さないと駄目。そこだけ」と冷静だ。“プロペラはエンジンを出す最大の部品”という考えのもと、プロペラ調整と試運転を繰り返しながら足をピークに持っていくスタイルで、王者が前人未到のV4に挑む。

<GⅠクイーンズC:3位=岸恵子(42)徳島・73期>自ら「出来過ぎ」と振り返る今年はベスト12ではなくレディースCC出場のベスト20を目標にしていた。それが6月蒲郡、10月福岡、11月宮島と立て続けに優勝すると一気にレディースCCも制覇。堂々3位でのクライマックス出場となった。

 その原動力となったのは同郷の先輩・浜村芳宏のアドバイスだ。

「7月ごろにターンの仕方をアドバイスしてもらい握って回るスピードレースができるようになった」とレディースCC優勝後にまず口から出たのは先輩への感謝の言葉だった。

 勝負の舞台となる住之江は「先月に走っているし調整方法もしっかりつかんでいるから大丈夫。好きな方の水面」とキッパリ。

 水質が硬い住之江は得意不得意がはっきり出るプール。難水面を苦にせず握って回れるとなれば、大きなアドバンテージとなるだろう。