【SG「グランプリ」、GⅠ「クイーンズクライマックス」:カウントダウンコラム(7)】SGグランプリ、GⅠクイーンズC出場レーサーの決意(6)

<SGグランプリ出場:7位=井口佳典(37)三重・85期>今年から新システムに変更となり、心理面の影響は計り知れない。2008年の覇者で、実際にタイトルを手にした男の言葉だけに重みがある。

「正直、あの舞台で6日間戦うのはキツいと思いますね。これまではとにかく4日間にすべてをかけて集中してきたので、これがあと2日延びるとなると…。その意味では6位と7位の差は結構デカいと思います」

 今年初のSG優出を決めた、とこなめダービーの優勝戦前日に漏らした言葉が強く印象に残っている。

「それに最後まで残れなかった場合、その後どうやってモチベーションを保つのか。今は考えられんことやけど…」とテンションは低めだ。

 とはいえ、SG初優出も、その翌年の初Vも平和島で成し遂げたもの。新設された“舞台設定”はお手の物。ここは奮起に期待。得意の水面で派手に暴れまわってほしい。

<GⅠクイーンズC:7位=寺田千恵(45)岡山・65期>これまで培ってきた経歴が違う。

 大一番ではめっぽう勝負強く、昨年8月の鳴門(レディースチャンピオン)から昨年の芦屋(クイーンズC)、今年8月の三国(レディースチャンピオン)と女子GⅠ戦線で3大会連続で優出しているのは平山智加と寺田の2人だけ。これは機力や近況リズムにほとんど左右されない確固たる地力の証しでもある。

「今回は実力的に抜けた選手もそんなにいないので、チャンスはあると思う。その少ないチャンスをしっかり生かして、出るからには最低でも優出を目標にしてしっかり仕事をしたい」

 女子戦線では一番の安定株。過去2回は90期以降の若手が制しているだけに世代交代の感も強くなっているが、ここ一番での勝負勘は健在。得意の住之江水面で若手を蹴散らし、“初代大みそか決戦”の覇者に輝く可能性は高い。

<GⅠクイーンズC:8位=三浦永理(31)静岡・91期>「今年1年は本当に低空飛行でしたね。出走回数で稼いだようなものです」と本人も話すように、目立った活躍がなかった。5月から7月にかけて6連続優出(1V)はあるものの、三浦の爆発力をもってすれば物足りなさは否めない。昨年の女子リーグ戦でVがある当地も、9月の男女W優勝戦ではまさかの予選落ちと強調材料に事欠く。「でも、近況の調子は悪くないし、住之江の前回戦も、後半に調整をつかんでからは、引き出せたから心配はしていません」と強気な面を見せる。

「住之江で注意していることは、ボートつり(運搬)に遅れないこと。あそこは一番遠いですから。まあそれは冗談として、私はどこでも乗り心地を重視していきます。そこが来れば十分戦えます」とキッパリ。栄えある初代チャンピオンが2年ぶりの戴冠を目指す。