深紅の大優勝旗は群馬へ――。ボートレースまるがめのGⅡ「第3回全国ボートレース甲子園」は11日最終日、ベスト6による優勝戦が行われ、1号艇・毒島誠(37=群馬)がインコースからコンマ07のトップスタート(タイ)からの速攻で他の5艇を突き放し独走! 断トツ人気に応える貫禄のゴールで今年3回目、通算61回目の優勝をSG初Vの地、まるがめで飾った。
  
 6人中5人がSGタイトルホルダー。その総数は「24」を数える。SG無冠の平高奈菜にしても昨年の賞金女王であり地元の女傑である。この〝GⅡにしては豪華すぎる〟決戦を制したのは、2連対率52%を誇る〝豪華すぎる〟スーパーエース・64号機を駆る毒島だった。

 毒島本人がSG7Vの豪華すぎる選手なのだが「ホッとしました。メンバーがよすぎますよ。GⅡじゃない(笑い)」とプレッシャーを感じるほどの顔ぶれ。ただ、ファンサイドからすれば今節の毒島ほど安心して見ていられるシリーズもなかっただろう。

 なにしろ64号機は「多少(調整を)外してもしっかり走る。モーターの力は大事だなと思いました」と語るように、前検から話題を独占。振り返れば初日ドリーム戦、電撃のピット離れで1号艇・峰竜太からインを強奪して逃げた瞬間からVロードに乗っていたといえるだろう。

 自分自身と64号機を野球に例え「バッテリーがすごく良かったですね」と表現したが、今節は64号機がピッチャーで毒島がキャッチャー。160キロ超の剛速球を投げる暴れ馬のようなエンジンを巧みにコントロールし、ストライクゾーンに導いた手腕が見事だった。

「他の人とは足が違っていましたね。ず~っと持ち歩きたいエンジンです」

 64号機に最大限の賛辞を送った毒島はこの夜、〝全国制覇〟の夢を見るのだろうか――。