【今が〝旬〟~このレーサーに乗れ~】遅咲きレーサー・枝尾賢「もっとうまくなれると思っている」

2021年06月18日 16時57分

枝尾賢
枝尾賢

◇枝尾賢(39)福岡支部89期

 一つの勝利、一つの優勝がレーサーのキャリアを大きく変えることがある。枝尾のターニングポイントは2019年10月の江戸川GⅠ64周年記念Vだ。

「周り(福岡支部)はすごい選手ばかり。A1になったからといって待っていてもチャンスはなかなかこないんです。実際に自分が呼ばれていたのも地区選がほとんどでした。でも、江戸川をモノにできたことが本当に大きかった」と振り返る。

 その後の活躍ぶりは目覚ましい。昨年は7月の鳴門オーシャンCでSG初となる優勝戦進出を果たすと10月のダービーも優勝戦に駒を進めた。GⅠでも2度の優勝戦進出と活躍し獲得賞金は5700万円を超えた。今年も前走の地元・福岡のGⅠ68周年記念で優出といい流れをキープしている。

「自分としては技術的な成長というよりSGやGⅠのスピードに慣れてきた結果と考えている」と冷静に分析する。

 その一方で明確な変化も実感しているという。「メンタルは間違いなく変わりましたね。これまでは自分の賞金額が今いくらだとか真剣に考えたこともなかった(笑い)。今は一般戦でドリームに乗ることも増えたし、お客さんにも買っていただいている。それなら期待に応えたいし、名前も覚えてもらいたい」と〝意識〟も格段にレベルアップした。

 大舞台の経験が増えたことでエンジンの調整過程もスピードアップした。「一般戦も記念もマイペースなのは変わらないけど、その中身はやっぱり違います。記念はターンから何からすべてが早いんです。優出とか先を見据えた調整では間に合わない。だから目の前の一戦一戦に集中する。ペラを叩き変えるタイミングも早くなったと思います」という。

 来年の1月には40歳を迎える。「もちろん、もっとうまくなれると思ってますよ。技術的な部分を少しずつ変えていたんですが、去年の暮れにちょうどそのタイミングでF休みに入ってしまい、取り戻すのに時間がかかった。その意味では年食ったな、と(笑い)。でも最近結果が出ているので間違ってはいないと思います」。この言葉通り近況は4月下旬の住之江Vから5節連続優出中で優勝も2回としっかり結果を出している。

「記念を走るのは疲れるけど、とにかく楽しい」と充実ぶりに笑みもこぼれる。全国屈指の激戦区・福岡から飛び出してきた遅咲きの男が、近い将来に大輪の花を咲かせはずだ。

☆えだお・まさる 1982年1月2日生まれ。福岡支部の89期生。福岡県出身。2002年1月に福岡でデビューすると3走目で初勝利。2010年4月に鳴門で初優勝。2019年9月の江戸川64周年でGⅠ初制覇。通算22V(GⅠ1V)。SGでは優出2回。

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