ボートレース鳴門の「ヴィーナスシリーズ第5戦」は28日の5日目、白熱の準優3番勝負を終了。29日はいよいよ最終日を迎え、12Rで下記の6選手によって優勝戦が争われる。

1・寺田 千恵(52=岡山)
2・西村美智子(37=香川)
3・渡辺 優美(28=福岡)
4・山川美由紀(54=香川)
5・金田 幸子(41=岡山)
6・山下 友貴(34=静岡)

 序盤戦を怒とうの4連勝! で飛び出し、V戦線をリードしてきた山川が準優戦11Rで渡辺の差しに屈して2着惜敗。ファイナル絶好枠は寺田の手に転がり込んだ。ただし、今節の鳴門はいつにも増してインコース艇が苦戦。波乱の色が濃い…。

 そこで浮上してくるのが西村。今節は中盤戦でもたつくシーンもあったが、ここにきて、きっちりと仕上げてきたようだ――。

 初日こそ連勝発進で勢いよく飛び出した西村だったが、その後は気象状況の変化の影響などもあり、調整面で〝迷子〟になってしまった。そこにアドバイスをくれたのは同支部の後輩・松尾夏海だった。

「まだバッチリではないけど、(ターンのサイドが)掛かった後の感じがいい。今思えば回転の上がり過ぎだったのかも…。プロペラを止める調整をして(感じが)良くなってきた。(松尾)夏海のおかげ」と感謝を口にする。

 5日目の当地水面は準優戦までの9個レースでイン逃げ1本(全12Rでも3本)という〝イン受難〟の一日だったが、西村はこの調整も当たったのかしっかりと逃げ切り、ライバル勢を蹴散らした。「(調整の)方向性はこれで大丈夫だと思います。ペラが合えば出足型。松尾選手の方が足はいいですけどね」。

 昨年4月の宮島オールレディースで、デビュー15年6か月にして悲願の初優勝! 7月から適用される2021年後期は念願の初A1級に昇格と、まさに“今が旬”な選手。

 自身2度目のVと、惜しくも準優ラウンドで散った後輩のために、ここは結果で応えたい。