【ルーキー通信簿:末永和也(22)佐賀支部124期】2節前のGWシリーズで自身3度目の優出。1号艇には師匠の上野真之介、2号艇に末永という優勝戦での師弟対決が実現した。結果は上野が貫禄Vで末永は3着。「2号艇での優出は自信になりました。優勝も狙っていた。師匠とワンツーを決めたかったけど師匠は強かったです」と笑顔で振り返る。
 
 124期の養成所チャンプ。デビュー節の5日目に初勝利をマークするなど、その高い素質の片鱗を見せていた。初優出は今年3月のとこなめ。それから4月の福岡、5月のからつと着実に優出回数を積み重ねてきた。

「着が取れない時があって、真之介さんに毎回レースを見てもらって走り方とか勉強しました。初優出はもう少し早くしたかったですね。その初優出のとこなめの準優勝戦で3号艇で乗ってからスローに入っています。真之介さんからは次に準優に乗ったらスローに入っていいよと言われていた。スローに入りだしてからスタートも決まっているしフライングを切るまではこのまま。最近はミスしないように大きな着を取らないように学習できている」と手応えもつかみつつある。

 師匠の上野は「弟子を取った時から〝本物のA1級レーサーにしたい〟と思いながら接してきました」と熱い思いを抱いて愛弟子を指導してきた。その成果が出てきたとあって「めっちゃ成長していますよ。もともと水の上は器用だなって思っていたけど、最近は僕の血をしっかり受け継いでくれているなって思う。走り方がそっくりですもん。道中での位置取りとか。自分のレースをよく見てくれているなって思います。もう実力的にはA級選手ともそん色はないと思っている」と目を細めている。

 もちろん末永も師匠の思いをしっかりと受け止めている。「真之介さんからは早くA1になれと言われている。もちろんA1を目指して早く優勝したい。一つひとつ課題をクリアしてステップアップしていけたら」と今後の飛躍に向けて目を輝かせる。

 こんな愛弟子に上野はもうひとつ注文をつける。「水の上は本当に器用だし、しっかりしている。ただ、陸の上が下手。しゃべりがダメなんですよ。優出インタビューとかでも、もっと場を和ませられるようになってほしいかな」。ファンに愛されるレーサーに成長するためには〝トーク力〟も大事。艇界を代表するトップレーサーとなるための英才教育をしっかりと施すつもりだ。
 
☆すえなが・かずや=1999年2月16日生まれ。佐賀支部所属の124期生。佐賀県出身。2019年5月のからつでデビューすると、その節の5日目に初勝利。今年3月のとこなめで初優出。同期には高憧四季、前田翔、為本智也ら。