【まるがめSGオーシャンC:カウントダウンコラム(3)】ビッグレース直前恒例の短期集中連載オーシャンC編「夜空に輝く一番星は俺だ!」の第3回。下位選出からの大逆襲――。近況のSG戦線は賞金王常連組がしっかり結果を残し、新興勢力の台頭を阻んでいる。そんな“堅調”な流れに待ったをかけるべく、当大会初出場でも「出るからにはとにかく優勝を狙う」と鼻息を荒らげている若武者がいる。層の厚い大阪支部で「もまれにもまれ」ここまで上り詰めた岡村仁(30=大阪・95期)だ。

 GⅠの優出ポイントで出場資格が決まる「オーシャンC」。昨夏の江戸川周年記念Vの勲章を引っ提げて初出場を決めた男は、自信満々にこう言い切る。

「SGはとにかく楽しみでしかない。実際、ここまで出た4回は楽しんで走らせてもらってます。緊張感は全くないですね。自分はずぶといタイプなんで(笑い)」

 昨年末にSGデビューを果たしてからまだ4節しか経過していないが、気負いも、気後れも全くない。それが戦績にはっきりと表れている。

 SGデビュー節となった昨年の「チャレンジC」初戦でいきなり初勝利。その後、2節目で初の予選突破。3節目の尼崎「クラシック」では準優3着と、お手本のように着実にステップアップ。ファイナル進出も確実に手が届く位置につけている。

 育った環境が人を変える――。彼のホームプールは全国一ハイレベルな住之江。デビュー当時からそこで味わった辛苦が、最高峰の舞台でも物おじしない度胸を作り上げた。大阪支部の地元戦はSGウイナーだけでDRをフルメンバーで組める豪華布陣。誰か欠場した場合の“DR代替選手”が今の岡村の格付けでもある。「オール大阪のDRはメッチャ気合入りますよ。すべてのコーナーを全力でターンしても6等になることも多い。そんなことばっかり味わってたら、誰でも自然とメンタル面を鍛えられますよ」

 ハイレベルな大阪支部の一員であることに誇りを持ち、ようやくSG戦線で常連になりつつあることに充実感を漂わせている。

「前検日、レース場に来た時から目標設定は常に優勝。そこに定めています。選出順位が一番下の僕が言うのもなんですけどね(笑い)」
 大阪一の好青年は、勝負に対してとことんずぶとく構えている。

☆おかむら・まさし=1984年2月19日生まれの30歳。2004年11月住之江のデビュー節4走目で初勝利。その9か月後の三国で初優出初優勝を飾る。昨年7月の江戸川でGⅠ初V。同年11月の津「チャレンジカップ」でSG初出場を果たした。95期同期には峰竜太、山田哲也らがいる。身長167センチ、血液型=O。