昨年11月から男子の最低体重が従前の51キロから52キロに変更された。レジェンド・今村豊さんがこの制度変更を引退の理由に挙げていたが、たかが1キロ、されど1キロで、特に51キロの時代から重量調整を行っていた選手にとってはマイナスの影響が出た。

 かつては50キロを切っていた松尾拓(32=三重)もその一人で「(調整重量を)2キロも積むと体の反応が悪くなるんですよ。無理に食べるのは大変でした」と、苦労しながらも、現在では51キロ前後(調整1キロ)で落ち着いてきた。2月には地元・津でGⅠ「東海地区選手権」を制するなど、近況は好調だが、増量に慣れてきたのもその一因だという。

 今節も好リズムを維持しており、初日11R、2日目6Rと日をまたいで連勝。いずれも峰竜太、原田幸哉とドリーム組を撃破してのもので、価値ある2勝となった。

 その一方で、舟足は平凡そのもの。「足は普通ですね。出足や一瞬の足はいいけど…。スリット付近は少し出られる感じがあった」と、あくまでターン回り一本の仕上がりで直線は劣勢気味だ。

 ただ、体重増加は旋回力向上にもつながっているはず。3日目は外枠での2走となるが、迫力を増したターンで展開を突いて、準優戦の絶好枠取りへの道筋をつけたい。