【ルーキー通信簿:前原大道(24)岡山支部123期】初出走から2年11か月目となる昨年11月にボートレース大村で初優出。今年1月には地元・児島で2度目の優出と成長が結果という形になって表れてきた。

「スタートが少しずつ安定してきたと思います。いろいろな人に話を聞いてスタートの方法を試して行って、自分に合うものを取り込んでいる感じですね」と自己分析するように大きな課題の一つがスタートだった。

 ボートレーサー養成所では123期・卒業記念レースで優勝するなど素質は非凡。師匠の吉田拡郎も「デビューした時からターンはすごいと思っていた。ただ、フライングが多い。事故で成長が止まっている」と指摘していた。

 2018年11月のデビュー節にフライングを切ると2019年の4、5月にも続けてフライング。そこで昨年、前原はコンマ05以内のスタートを行ったら丸刈りにすると師匠の吉田と約束。しかし「すぐ早いスタートを行ってしまって…。すぐに丸刈りにしてきました」と吉田は苦笑いしながら振り返る。

 そんなホロ苦い思い出もあったが昨年3月を最後にフライングはなし。現在はコンマ05のリミットは解除されている。

 一方、前原の最大の魅力は旋回力だ。吉田も「ターンはまくり差し、舟を向けてのレバーを入れるタイミング、体の使い方は上手。その辺は何も言うことがない」と絶賛。前原も「今はペラ調整に力を入れています。いい旋回ができるように、乗れるように調整したいですね」と持ち前のターン力を存分に発揮できるように調整に磨きをかけている。

 今後に向けて「少しずつ経験を重ねていければと思っています。具体的な目標は勝率6点ですね。早く師匠と同じところまで行きたいです。そうでないと眼中にもない感じですから(笑い)。そのためにもインでしっかり結果を出すことが大事ですね」と目を輝かせながら目標を明かす。

 そして2月22日には入籍。「守る人ができたし、いずれは子供も欲しいですから。稼ぎ頭として頑張らないと、と思っています」と、さらに気持ちを引き締めている。

 吉田も「すごく志が高くて目先よりもよりも今を大事にしているのがわかる。記念は近いうちに走れる素質を持っている。自分にとってはかわいい弟子です。昔の自分を見ているみたいなんです。彼も今のキャラのまま突き進んでほしい。自分でもSG勝てたのでお互い切磋琢磨して成長できたらいいですね」と成長を続ける弟子を温かいまなざしで見守っている。

☆まえはら・ひろみち 1996年9月29日生まれ。岡山支部所属の123期生。岡山県出身。2018年11月にボートレース児島で初出走。2019年3月のボートレース徳山で初勝利。父は元競輪選手の前原雄大さん。姉は現役ボートレーサーの前原哉。