【浜名湖SGグランドチャンピオン】ボートレース浜名湖で開催されたSG「第24回グランドチャンピオン(グランドチャンピオン決定戦)」は29日がフィナーレ。12Rで優勝戦が行われ、地元静岡支部の4号艇・菊地孝平(35)が優勝。優勝賞金2500万円を手にした。菊地は先の福岡「ボートレースオールスター」につぐSG連覇。07年魚谷智之がオーシャンC、ボートレースメモリアルで連覇して以来、12人目となる快挙を達成した。2着争いは大激戦となったが、瓜生正義が競り勝ち、1番人気を集めた今村豊は3着に敗れた。

 明暗を分けたのは、9レース終了時あたりから急に吹いてきた向かい風だった。「勝てるなら向かい風だと思っていたし、チャンス」と菊地。この風を“神風”と信じて臨んだ。
 進入から注目の的となっていたが、深川真二がチルト3度を選択。枠なりの4カドからコンマ04のトップスタートを放った菊地がボートを半艇身ほど伸ばしながらも「一気に絞れる感じでもなかったし、内にスペースもなかった。外しかないと思い切って行った」のが奏功。1Mで外を豪快に旋回した菊地が今村豊を引き波に沈めた瞬間に勝負が決まった。
 オールスターV直後で、戦前から本命候補として祭り上げられていた。地元SGの優勝戦ということで、相当なプレッシャーもあったはずだが、「結果を意識しすぎないでレースしている。優勝戦に関してもいいレースができたという満足感だけ」と語ったように、近年はマイペースを貫いている菊地。図らずもそれを証明する形にもなった。
 これで今年の獲得賞金は8500万を超え、松井繁を抜いてトップに浮上。レース後の表彰式ではファンから「グランプリ!」の声も飛んでいたが、「今回と同じテーマで、まずは次の蒲郡周年(7月3~8日)を一生懸命走りたい。(今回の優勝は)いいきっかけになると思うけど、まだまだやることはある。実力の面では全然。違う武器もあるが、技術や調整という面ではまだまだ先輩方とは差がある。でも、それだけ“伸びしろ”があるとも思っている」。今回に決しておごることなく、菊地はさらに進化し続ける。