【浜名湖SGグランドチャンピオン(24日開幕):カウントダウンコラム(1)】

<山口剛(31=広島・91期)>SGでの成績上位者が集まるため、当然ながらSG初出場は一人もいないのが当タイトル一番の特徴だ。6年連続6度目の出場を果たす山口はこの強豪揃いの大会に出場できる誇りを感じている。

「ボクはグラチャンの優勝賞金(2500万円)が4大競走(3500万円)より低いのが納得いかないです(笑い)。だって1Rからメンバーは濃いし、すごい名前ばかり。メンバー的に一番きついのがグラチャンだと思っていますよ」

 今大会の出場選手で、SGタイトルホルダーは半数以上の27人。12回Vの王者・松井繁を筆頭に9回の池田浩二、7回の瓜生正義と今村豊と、SG複数回Vは数多い。

 山口も今から約4年前の平和島・総理大臣杯(10年3月)でSG制覇しているが当時、松井に「SGを1回勝っただけじゃ、勝ったうちには入らんやろ」と言われた。

「その通りですよね。だから悔しいんです。何でもそうですが、2回目ってすごく大事だと思うんです。壁を越えて、次のステップに行くにはパワーがいる。だからSGを複数回優勝している人は尊敬するし、何かが違うって思う。グラチャンはそういう壁を越えてきた人の集まりですからね」

 選手になった当初から究極の夢は「グランプリ制覇」だった。14年後期は勝率8・35で全選手中1位となったが、山口は「勝率には興味がない。それよりデビューのときから志していた賞金王という目標を達成したい」と語る。

 気持ちの切り替えも一流だ。どんなに成績が悪くても「最初の志をしっかり持っていて、そこがブレてないからすぐに切り替えられる」と言う。
 迎える今大会、いつものように勝つイメージは出来上がっている。

「SGに行くときは賞金ボードを持っている自分の姿を思い描く。頭に浮かんでくるんですよ。でも、もう4年くらい実現できていない。それだけ難しいんですね。だからこそ、2回目の優勝ですべてが変わりそうな気がします」

 グラチャンの重みを誰よりも知る男。次のステージに進むには絶好の舞台となる。

☆やまぐち・つよし=1982年8月23日生まれ。広島支部の91期生。2002年11月、宮島でデビュー。04年5月のびわこで初優出初Vを達成。08年1月のGⅠ新鋭王座決定戦(まるがめ)を制覇。10年3月の総理大臣杯(平和島)でSG初優勝。通算24V(GⅠ4V、SG1V)。14年後期の勝率8・35は全選手中トップ。身長161センチ。血液型=A。